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「キャプテン、今いいか?」

「どうした。珍しいな」

「うん。リーシャの事なんだ」

ローの部屋へ赴いたベポ。
紅一点の名が出ると目を徐にこちらへ向ける船長。
ベポは言うか言うまいか迷ったが、彼女には笑って欲しいという思いが、前へ一歩踏み出させた。

「明日、舞踏会があるんだけどな−−」



***



「ペンギンくん」

「ん?珍しいな」

「何が?」

「俺の部屋に来る事が」

リーシャは目の前で悪戯に笑みを浮かべる男に苦笑した。
そんなに来なかったかと聞けば、手配書があるかどうか聞きに来た時とローと喧嘩した後に着た以来だと言われてそういえばと認めざるおえない。
モンキー・D・ルフィの手配書があるかと一度来て、無かったと言うのは嘘だったのではないだろうかと不意に思い出す。
しかし、ペンギンが故意に隠したのか。
もしくは、本当に知らなかったのかもしれない。
まだロー達にルフィの存在を感知した事や、麦藁海賊団を知っていることを言っていないので口に出すリスクは犯せなかった。
罪悪感が胸にひしめく感覚を覚えながらペンギンに用件を伝える。

「手配書を見せて欲しいんだけど……いいかな?」

「構わないが、どうしたんだ」

「私も一応海賊団だってローくんに言われたし、手配書の人達の顔を確認しておいた方がいいんじゃないかって思ったから」

「成る程……それなら船長と一緒に見るといい」

「ローくんと?」

疑問を一番に問えば、ローは懸賞金の事も含めて、その人物の起こした事件などを教えてくれるだろうという事だった。
それならと、手配書の束を受け取りペンギンの部屋を後にして船長室へと向かう。
たまたま扉を開こうとした時、先に蝶番が鳴る。

「ローくん。丁度良かった。今大丈夫?」

「ああ。俺もお前に用があったしな」

たった今、リーシャの所へ向かう予定だったと彼は部屋へ招き入れてくれた。
手配書の束に目を止めたようで、詳しい事を話せば「分かった」と快く頷いてくれたように思った。
海賊の荒くれ者の話しを躊躇する素振りを見せなかった事に関して、不思議に思いながらソファへと腰を下ろして手配書をテーブルへ置く。

「そういう情報は教えてくれるんだね」

「あ?……ああ、そういうことか。まァ知っといて損はねェだろうしな」

リーシャを外へ出す事に渋ったりする事を指せば、彼はフッと口元を上げた。




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