香牙 | ナノ
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先生らはようやっとご登場した面々に駆け寄る。
が、近付かないでくれという警告が彼らから発せられ途方にくれた先生達が見える。

「な、なぜですか!?」

先生達が騒ぐので特別捜査官らは知識もないのかという顔を隠した人たちと隠してない人達の反応に別れる。

「異界に取り込まれると症気が生じることはテレビなどで聞いたことくらいはおありだと思いますが。異界に長くいればいるほど身にまとう症気が増えます。私達は浄化の道具などを持っているので長時間ここへいられますが、症気を張り付かせた方が近寄れば私達も無事ではいられません。そうなれば共倒れとなります」

「お分かりいただけましたね?」

こんな風に説明され、聞き分けのよい大人達は素直に引き下がる。

「ああ、トラファルガーさん。どうなっていますか?」

ローが先行してやってきたのは捜査官達の依頼だったとそのやり取りで判明する。

「どうもこうも、原因はあの女だ。異物を飲み込んでる」

「それは厄介ですね」

専門家達はやはり落ち着いていて冷静だ。
そうなれば頼りになると皆も納得すると思いたい。
ローは一通り捜査官らに説明をし終わると再びこちらに来た。
まだ先に進むのは時間が足りない。
とのこと。
それを聞いて、空腹に倒れるのかもしれないなと息を吐く。
ローが楽しそうに捜査の人達や生徒達を見ている。
その様子を見ている生徒達が彼に近寄ってくるまでは空気はまだましだった。

「あの、貴方は警察の人ですか?」

一際輝かしい面々が束になって彼に寄ってくる。
学校で目立つ集団だ。
ローは嫌そうに真顔へ直る。
彼女らはカーストで上なのだろう、自信満々で甘ったるい香水が強く匂う距離まで詰める。
数人の香水が混ざってしまい、強烈。
思わず雰囲気も相まって一歩下がる。
その一歩を埋めるように彼女らが更に詰めた。

「くっせェ」

ローがあえてリーシャが内心でしか言わなかったことをきっぱり述べる。
それに石のようにピシッと固まる子達。
世間を渡るのことに関して問答無用に石を叩き割った。

「近寄るな」

手で鼻を覆って下がる。
しかし、そこで引き下がればいいのに、激しく文句を言い始めた。

「なによ!大人の癖に」

「子供を苛めるなんて最低」

「訴えてやる!」

出た、訴えてやる。
テレビの見すぎな気もする。
この人によって今後無事に出られるか変わるのに、わざわざ生存率を下げるようなことを良く言えるなと命知らずな子達。

「うるせェ、鼓膜が破れる」

鬱陶しげに追い払おうとするが、彼らはまだぎゃんぎゃんうるさく騒ぐ。
しかし、先生達が騒ぎに気付いておさめる。

「やめなさい!」

強く叱って、女子達は白けたと散り散りになる。
ついでにあの異界の元になった人に突撃してきてほしい。
それくらいガッツがあるのだから、生身の人間に突っかかることが出来るのなら、そこの人にも突っかかってくれって感じ。
怖いほうには行けないくせに、なんと臆病なことか。
ローも相手を鼻で笑って散り散りになるところを見ている。

「すみませんでした」

先生が頭を下げる。
しかし、ローは許すつもりがないのか眉間にしわを寄せた。

「許してあげてほしいのですが」

「許してなんになる。こんな状況で理解も出来ない頭に反省なんて出来るとは思わねェ」

「まだ子供なのです」

「子供と言い訳が立つのは5才以下だ。もう大人一歩手前で子供といって許されるとは思うな。大体ここはすでに法の外だぞ」

「ここはまだ国の中です」

「じゃあ、お前がこの異界化をどうにかすれば良い。お前のいう法律の中なら、おれは一般人なんでな」

「え!?」

暴論凄い、けど彼の言い分もまかり通るのは通るわけだ。


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