女を刺激しないように距離を保って様子を見ていく。
判断材料が少な過ぎてなんの異物かわからない。
「で、捜査半班はいつ来ます?」
「まだ無理だろ」
「行動が遅すぎでは。そういうことでしたら、校庭に陣でも書いておきますか?」
「良いアイディアだ」
「強力な陣ですからね」
ローとリーシャはそれぞれ己達の知っている陣を書く。
自分はコピーされないように古い陣を書く。
それを見たローがふざけてんのかと怒る。
「私の改良をした陣が盗み取られるなどというのは嫌ですから」
「そんな古いのはもう現代じゃ使われてない」
「あっそ」
「いきなり現役女学生みたいな反応すんな」
「帰りピスタチオ飲みに帰らない」
「それを言うのならタピオカだバカ!」
暫く陣を書くのに時間を消費して、捜査の専門家達を待つ。
出られないから食べ物のとかの問題もあって、早く解決しないと皆腹へりで死ぬ。
もしくは水分を取れないことで弱るやも。
それを先生達もわかっているのか全く動かぬローをジッと見ている。
働けよ、とボロカス言ってそう。
「くく、見たか、あいつらの顔」
「悪趣味ですよ、全く」
「悪趣味で結構。おれは性格が悪いほうなんだよ」
自分で言うことではない。
自己申告とは自信家の域である。
しかし、和装しているのに仕事しないとは。
その服はなんのために着たのだろうと考え、ふと気付く。
「その服、護符を縫い付けてるんですか?」
「良く気付いたな」
若手ハンターらが倒れたのにこの男はぴんぴんしている理由が分かった。
その服がほしい。
という気持ちがもれ出ていたのかローがこちらを見て、服を見てから気が向いたらやるよと言う。
中途半端な返答など期待しない。
期待なしで待ってるよ。
嫌な顔で首を振って、再び暇をもて余す。
陣は万が一、こちらに牙を相手が向いたとき用だ。
「やっと来たぞ」
ローが声をかけてくると同時に少数の捜査官達がこちらへ入ってくるのが見えた。
遅いなと内心がっかりしながら思った。
食べ物を持ってきているだろうが、学内などは無理だろうなと思った。
この人数を持ち込むには出られない前提で入ってこないといけない。
出られないのでその為の備蓄の用意も必要ある。
であるから、時間がかかったのだ。
それを理解してない人達がテレビで好き勝手に詰る様が今からでも容易に想像出きるけど。
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