香牙 | ナノ
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払い屋って退治する人のことではなかったか。
辞書でも引きたくなるが持ってないので確認出来ない。

「お前も来い」

「私はこの安全圏で救援を待ちます」

「この陣、お前がやったのか」

気になったのかたずねてくる。

「企業秘密です」

「ああ、くく、面白いな全く」

「いきなり笑うとか酷くないですか」

「気にするな」

「じゃあ笑うのやめてくださいって」

今だに笑う男を眺めていれば、からからと笑うのを納めて和風の服をひらひらさせ、こちらへやってくる。
結界が作動してガンガンと拒まれる。

「素人レベルじゃねェ」

「当たり前ですよ。ちゃっちいのはあってないようなもんですから」

脆ければ簡単に異界が突破してしまうのだ。
そんな中で過ごすのは身を危険に晒しすぎる。
異界では人間は異なるものとして攻撃されやすいと聞いたことがある。
異界化は近代になって随分認知があがったとはいえ、それに対する防衛の知識を持つ人たちは一部のみ。
普通の一般人は防衛、なにそれ美味しいの、状態だ。
まともな武術でさえ習得してない。
それで済んだのは異界を処理する人達が居るからだが、こうやって巻き込まれることを見ると学んだ方が得策ではないか。
誰かの感情が引き金となり異物を作り出すことは昔からわかっていること。
人のかずだけ異界が起こることをいい加減人類は知るべき。
ローは一人結界内にこもるリーシャを外へ出てこいと勧誘する。
断りである。
なぜ、わざわざ探索を己がしなければならんのだ。

「嫌です」

「異物欲しいんだろ」

「命も惜しいです」

異物は命があってこそ集められるんだぞ。

「おれが守ってやる」

「やっすい台詞ですね、さようなら」

ローに守られるんなら己自身を守った方がずっと信頼している。
しっしと追い払うが一行に追い払われない。
腹が立つほど鬱陶しいので顔面を嫌な顔に変える。
感情が伝わってなかったのならもっと分かりやすいようにしてやろうという配慮。
是非次回参考にしてくれ。
ローに上から見られ、こちらはちょこんと体育座りをしているので無視。
リーシャの態度が気に入らないのか結界を破壊しようとしていた。
なんと酷い奴だとすぐ立ち上がり、反響の呪文を口内で呟く。

――バチン

火花が散り、手を擦るローは怒っていると思いきや楽しそうに口を弓に曲げていた。
非常に黒い微笑みである。
ああいう笑いをする輩はなにかしらやってくるのがライトノベルでは定説。
アニメでも良くある黒い微笑だ。
暗黒とも呼ばれているが最近では浮上は低くなっている。
彼は製品レベルの結界だなと述べ、今のは跳ね返したのだからそこまでの強度はないのに勘違いされたままとなる。
学校に持ってくるものは軽量化を常として考えているので本格的な物はここにはない。
まぁ、勘違いさせておけば良いかと手のひらを無防備に見せるのは嫌だったので都合が良かった。


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