香牙 | ナノ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -


カフェにとか誘われたがやっぱりもう一度断ってから帰路につく。
その二人は黒塗りの高そうな車に乗る。
運転手つきかい。
リーシャも乗るかと言われたが断る。
緊張して乗れるわけがない。

「またな」

「またとか嫌です。私の穴場骨董品店には来ないで下さい」

「可愛いだろロー、そんなこと言われちまったら行きたくなるよなァ?」

はったおすぞ金持ち。

「ドフィが気に入ったんなら逃げられねェな」

車に乗ったままで言いにげとか大人げ無さすぎだろ。

「ガードレールにぶつかって記憶喪失になってください」

ドフラミンゴはまた大笑いして車は去る。
まったくなんなんだあの人らは。
やりたいことだけやって帰っていくとか。
見せてもらったものがレプリカでよかった。
というか、ああいうのは然るべき機関においた方が安全なのでは。
ドフラミンゴと出会ってそこそこになるが謎の人でもある

「まぁ、あの人らなら個人の施設でも持ってるか」

興味を無くして自宅へ。
途中でスーパー寄っていこ。



それから一週間はたいして何かあるわけもなく、もうすぐ冬へとなる。
冬休みも目前。
この地域は雪は降るが凍結するのはときどきだ。
が、学校で問題が起こった。
教室に行くと警察がきていて、道すがら生徒達で埋め尽くされていた。
なにか事件でもあったのだろう。
盗難にしても物々しい。

「まじかよ、こええ」

クラスに着くとクラスメイト達がざわついていた。
話しに耳を傾ければ男子生徒が氷付けで見つかったとか。
朝練しようとした生徒が見つけてしまったらしい。
冬だけどゾッとして全身寒気がしてだろうに。
見つけた生徒を哀れに感じた。
身内よりも生徒の方が生々しいものを見てしまったということだから。
殺人事件とか学校が始まって以来の大事件じゃあるまいな。
先生達は忙しすぎて会議とかしてるんじゃないか。

「あ、予令」

チャイムがなって、先生が入ってきた。
先生に生徒が事件について質問するが、今はなにも言えないと言われた。
当然だ、警察だってまだなにも分かってないだろう。
朝起きた事件を先生達が説明出来るわけがない。
生徒達の質問を交わすが、更にチャイムが鳴る。
授業はいつも通り、なんてなるわけがなかった。
学校が現場になるのだから自宅にて待機となるらしい。
犯人とかもそこら辺が分かってないので全校生徒が一気に帰ることとなる。
折角来たのに。
学校側が生徒達に来るなと電話出来ないくらい対応に追われていたから電話は無理だったのか。
せめて、生徒達で電話を回してほしかった。
どうせ尾ひれのついた話しは拡散される運命なのだから、情報規制を思春期に背負わせるのはないのと同じだ。
自宅へ帰る中、電柱に見たことがある男が居た。
リーシャの骨董品の店で良く見かけるようになった秘蔵のローだ。

「こんにちわ」

「ああ。学校はどうした」

「休校です」

「なんか事件があったらしいな」

それに関して言わぬように担任から言われていたので黙秘。

「お問い合わせは学校へ」

「ふふ、隠し事はいつか白日に晒される。無駄な行為だ」

「人の口は空気より軽いですからそうでしょうね」

にこりともせずに向かい合っている。
しかし、男は上機嫌だ。
ドフラミンゴとも会うけど、ローとも会うようになり少し話す程度の知り合い度。
上機嫌だと言ったが、本当はどう思っているのかなんてわからない。
そして、今は考えごとで埋めたい。
氷付けの男子生徒。
今は冬だが雪さえまだ降ってないし、気温も凍る程でもない。
ということは、説明出来る科学的現象でない。
興味深い。

「今回の事件、面白そうだな」

「不謹慎です。慎んでいただきたい」

表面的に言っておく。
ここで同意したら常識的に弱味を握られる。
ローはくすくすと笑って固定もなにもしない。
謝ることも反省することもしないのだ。
そういう人らしいとメモに書く。
頭の中なのでバレまい。

「真面目だな」

「真面目なのでなく、普通なので」

そう、普通だ普通。
そのこの好奇心はどの年代でも変わらない。
ローこちらに寄ると景気付けとして食べに行こうと誘ってくる。


prev next【03】