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王族からの依頼は誰も受けないので段々国が疲弊してきている。
今は他のSランクの人間も他の長期の依頼で留守にしている。
タイミング悪し。
ローがSランク保持者の国であるギルドから受けてくれまいかと頼まれていて、どういう用件か聞くだけなら聞きに行ってやると回答。
ギルドはもうそれで良いとその国を見捨てる前提で傍観体勢でいることがわかった。
今まで魔法が使えてエリートぶっていて、他の国にも猛者の国として好き勝手に振る舞っていたことが今になり響いているよう。
己達は強いのだから言うことを聞けと外交していたのだからそれはそれは、嫌われていた。

その国に生まれたコルネリアの扱いなどああなるのもお国柄なのだ。
虐げた女が実は魔力の源だったと教えてやりたくなる。
ローが共に王に会いに行かないかと誘ってきたので楽しそうだとついていくことにした。
王の座がある部屋まで案内されていけば今だのうのうと座っている男。
まだ玉座を返してなかったのか。
呆れて扇子で顔を隠す。
膝間付くことすらしないこちらに嫌な顔をせずに良く来てくれたと歓迎する言葉に滑稽さを感じる。
話を聞きに来ただけなので依頼をするかはまだ決めてないと言っておく。
悔しげな顔をする家人ども。
貴方達も今までそうやって惜しみ色んなものを貢がせていたのだから今度は貴方達の番。
内心もっと面白いことはないのかと見回す。
すると、王座に近いところで立っている女が居る。
若いので王の娘だろう。
その娘はローに釘付けでこちらが見ていることに気付いてない。
熱をこもらせていることに運良く気づけ、口角をゆるく上げた。
これはこれは、面白そうなオモチャを見つけられた。
気分が向上。

先ずはもてなしをと今は高い料金で取引されているだろう食事の数々に楽しさも加わる。
こうやって無駄なことをさせて滑稽だと笑った。
王の娘は率先してローを持て成し、近くに寄り媚びていく。
楽しそうなので混ぜてもらおう。

「ねぇ、ロー。楽しいお話を聞いて」

周りに聞こえぬように魔法を施す。
彼はそれに気付いてなんだと聞いてくる。
くふくふとなりかけ、王の娘が貴方に夢中みたいよとばらす。
彼は微妙な顔になって「知りたくなかったな」と嫌な顔つきになった。
魔法も使えぬ女に好意を持たれたことよりも、権力者に好かれたことが嫌らしい。
コルネリアはならば婚約者のふりをしてあげるわと親切をさらりと提案。

「へェ、悪くねェ」

「でしょう」

気に入った作戦だったようで何より。
早速二人で乾杯をして王の娘の入る隙を無くす。
王の思惑を組んでいるのかは分からないが、こちらを睨み付ける女の視線に笑みを見せた。
どうやら王の意図はないらしい。
あったのならこちらの心証を悪くするとことはしないからだ。
こちらを敵視するということはやっては不味いことくらい、あの女は頭にないよう。
すっからかんなのは民も王族も同じということが良く分かる。

「コルネリア様。ロー様と仲が宜しいんですのね」

嫉妬心を隠した王女が近寄ってきてそう投げ掛けてくるので直ぐに不愉快な眼を向けた。
気安く名前を呼ばれるのはと言い、ローも名を呼ぶなと振り払うように伝える。
それに絶句して露骨に顔に出す王女。
王族がそんな簡単に表情を出すなぞ、相当甘やかされてきたのだとありありと想像出来る。
こういうときだからこそ、教育を厳しくするべき。
甘やかした王女なんて嫁の貰い手がない。


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