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- ナノ -
08
ローは僅かに額へ汗を滲ませ現在焦っていた。

「どうしたら挽回出来る」

慎重に問うてきたことは評価されよう。

「ローさん、貴方はどうしたら良いと思う?」

意地悪な空気を出しながら質問する。
しかし、ローはなにか良い策を思い付けないのか黙ったまま深い思考に陥っているらしい。
全く反応しなくなった。

「決まりました?」

聞けばローは首を振り決まっていないことを示す。

「考える時間がいる」

「ではどうぞ」

今すぐあれこれと要求しても納得されないのは目に見えているのでじっくり検討してくれと頷く。
帰るかと思えばまだ居座る雰囲気を醸し出している。
彼はこちらを見て、ソッと身を乗り出させ自然に顔を寄せてきた。

「リール」

掠れた耳に残る声で囁かれる。
思わず固まれば、その隙にふわりと口づけを受けていた。
そのソフトなものに拒むことも吹っ飛んだ。

「あ」

テーブル越しで油断に油断を重ねていた。
不意打ちにも思えるそれに唖然としていればローはいつの間にか横に居て覆い被さるような体勢でまた唇を重ねてくる。

「ん……」

肩に手をついて離れようとするがゆるりと顎を滑る手先に意識を取られる。
知らずのうちにうっとりさせられていた。
また名前を囁かれてまるでそういった魔法のように動けなくなる。
腰を砕かれているみたいだ。
上手く動けない。

「おれから離れるな」

合間に嘆願される。
しかし、その穏やかな声とは違いキスはどんどん激しさを増す。
カタ、と音がしてグラスが当たる。
角度を変えては求めるように彼は体をぴたりと寄せてきた。
なんだか、こんな風に扱われるとどうにも調子が狂う。
拒めないのは何故だろうと考える。
ローは今までどんな態度で接してきたか思い出せば、常に家では手元に居た。
それなりに扱っていたから?
今みたいに物のように扱われることがなかったな。
ちゅ、ちゅ、と音がする中冷静な部分があり、恥ずかしく羞恥心もある自分が居る。

「私のことは女避けだって言った癖に」

「言ったか?思ってもない」

シレッと言われるのが腹立つ。

「愛してないのに」

「言わなくとも態度で分かってるだろ」

ニヤリと笑う彼は腰を抱き寄せて額に額を触させた。