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女医が言うには頭を打ったかもしれないのでしっかり検査するとのことだ。
どこから来たの質問に答えられなかったけど気にならんのね。
いや、気を使って言わないでいてくれているのかも。
それなら、とても嬉しい。
だって、魔法を見たことがないもん。
だから、どこから来たかと言う質問は互いにその世界を知らないかもしれないので答えられず、魔法も見るのは初めてだったとみずから暴露する。
そうしないと知らない知識で恐怖に戦くだろうし。
だが、異世界人だとあっさり受け入れられてこちらが次はぽかんだ。
確かにそういう設定のファンタジーもあるからありえないことはないんだろうけどさ、なんか肩透かしっていうか。
こちらが困惑しているのを直ぐに理解したのか、クスッと妖艶に笑ってドキマギさせる。
美しすぎて直視出来ない問題。
そんな様子の自身を見て、説明してくれた。
異世界への転移者や落ちてくる者は数は多くないが、居るとのこと。
自分達も他の世界の転移者であるが、奴隷として落とされていて全く余裕もなかったという。
ど、奴隷って。
美しすぎる奴隷って、なにかの著書みたい。
驚きすぎて絶句しているとほっそりして白魚の手が頬を滑る。
それも最近なくなったのだけれどねと言われ、良かったと安堵。

「私はどうすれば」

特に問い掛けたというより独り言に近い。
いきなり、ぽとんと落とされたのだから迷子だ。
女性は微笑み、ここに住めば良いわと言われて目を点。

「え、でも」

今日、異世界からやってきた正体不明な女を置く意味が単純に分からない。
どうすれば良いんだと言ったが、ここではないところで活動するつもりだったわけで。
艶かしい美女達をこちらを保護しようという気持ちがそもそも訳が分からなくて怖い。

「大丈夫。貴方を私たちは歓迎するわ。ちゃんと守る」

スッと手を握られてきょとん。
ここまで親身になられてなんとも言えない気持ちになる。

「あの……まだ良く分かってなくてですねえ」

「これから私達が教えるわ」

にっこり艶やかに笑われてひくりと口許をひきつらせる。
それを見て、彼女は握りしめていた手を更に握る。
別に守られるということが気になっているわけではなく、美女らに囲まれることに混乱しているのだ。
というか、船にいるという状況が不明過ぎて夢遊病ではないのかと首を傾げる。
でも、教えてもらってから再び考えるのもするべき。
女医は手を離して丸一日検査した。
下着姿になってねてと言われて、女医だし平気かなと恐る恐る下着姿になった。
色気のない下着だけれど、うっとりした顔をしているんだが。
ヤンデレ臭が凄い。
離れたくなって直ぐに服を着直した。


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