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「どっひゃー!」

と、そんな間抜けな声でひゅるるる、と落ちること5秒。
体感故にもっと長かったかもしれない。
けど、地面にぶつかるよりも先に人の上に落ちたのは幸いか不幸か。
一思いに地面に落ちた方がマシなのかもしれない。
単純に楽にしねるから。
ほら、人に当たって中半端に瀕死だなんて痛いのが続くだけだ。

「ごはあ!?」

人に当たったから当然その人も痛いので叫ぶ。
叫んで二人共々崩れ落ちる。
その後の対応は気絶していたから知らないことだ。

「あら、見て」

美女その1が美女その他に声をかける。
名前が不明なので自他共に分かりやすい名称で説明する。
美女達はたった今自分達の所有者が空から落ちてきた人物により脳に多大な影響を与えた事件を目の当たりにして、回復させることもなく狼狽えることもなく周りを見渡してお互いに今からすることを合致させた。
世で言う満場一致だ。
丁度自分達の自由を縛るものが所有者が意識を失った為に外れたのだ。
それを誰かが言うまでもなく全ての美女、または美少女達がその所有者だった者の体に丁寧に付けていく。
その数は30個以上となり動くのも辛くなる数だ。
皆はその重りを付けた存在をえっちらおっちらと船の端に持っていき。

――ポーン

透かした音を立てて海へ落とした。
それはそれは綺麗なカーブだったと誰もが自賛する。
その事実をなに一つ知らない異世界トリップしたネネカはその次に彼女らにより医務室となる部屋へお姫様抱っこされた。
本人が知ったら恥ずかしすぎて穴を掘りたくなると言うだろう。
同じ同性として自らの力で立つことこそが常識という苦労人に分類される常識有りだ。
その異世界トリッパーによる非常識は始まったばかりである。


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