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「#エロ」のBL小説を読む
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- ナノ -

なんといえばいいのか。
冒頭語りというのは難しい。
自分が把握して人に説明するのが前提なのだ。

「ない、ない、ない」

パラレルワールドというのは一種のフィクション。
そんなの日常生活ではありえないと割りきっていた。
いざ、目の前にあると混乱する。
99パーセント同じでも残りのパーセントが違っているというのは。
正確にはもっとパーセントが多いだろう違いは己にとって耐えがたいものだった。
例えば、音楽がない、とか。
知っている音楽がなくて定番も違う。
結構なストレスになる。
興味のない人がそうなったら気にならないが、いるはずのアイドルや芸能人も居ない。
裏のボスも表のボスも居ない。
なんなら、建築家も居ないからこれから建てられる建物も建築予定すらないのだ。
それがムズムズする。
いや、人材は存在しているのだろう。
ただ、その人がその力を発揮していないだけで。
それは嫌だ。
常々悶々としていた気持ちが破裂したのは不良が公共の道路で殴りあいをしていたのを見た時だ。
認めよう、黒歴史だ。

「あああああ!」

大声で女なのにはしたなかった。
けど、叫ばずにはいられなかった。
あの有名な作曲家が手を武器に喧嘩していたのだから。
正しくは将来の大物作曲家。

「あ?なに見てんだ」

睨み付けながら殴っていた男を気絶させていく学生。

「ああああ!?」

「うるせェ」

お前も痛い目にあいてェのか、とこちらを見てくる。
熱い、色々熱い。

「ねぇ、私と友人になろう」

叫んだのに冷静な部分で言うと男、ローはバカにした目でアホ言ってんなと目をすがめる。

「私、あなたには作曲の才能があるように感じます」

今思うと相当電波な女で痛かったなって思うわけ。

「精神科行け」

そして。



――――



一人でお酒を飲んでいると刺青の入った手が視界に入りぎくりとなる。
見つからないように始めてきたバーに入ったのに何故見つかる?
誰か情報を掴んでるのか。
ローを見つけてから何年も経って大人の時代を経験中。
しかし、学生時代にやらかしすぎて今は隠居忍者の如くコソコソとしている。
あれから、色々凄く大変だった。
ローを連れ歩き音楽の才能を広げる為に将来のバンドマン、キッド、将来の右腕キラーも見つけ出し巻き込んでローのプライドと負けず嫌いを触発させた。
見事に開花した才能は世間を震撼させ、あっという間に天才作曲家として世に知らしめた。
その間にパラレル内で居なかった人達を芋づる式に引っこ抜く。
占いのホーキンス、ホストのキャベンデイッシュ。
コスメやメイクでブレイクしたナミ。
その関係でまたヅルヅルと人材を探しだして元の状態にした。
予想外だったのは、発掘する気のなかった人材だ。
武器関連でクロコダイルにドフラミンゴ、シャンクスなどなど。
ルフィは記事で冒険家になりたいと言っていたのを思いだし、ランナーから冒険家になっていたにも関わらず大成功をしていた。
今も海を横断しているとテレビで言っている。
その他の人材を掘り出したまでは良かった。
もとに戻ったと安堵して後、皆が口を揃えて恐ろしい事を言うのだ。

『おまえのおかげだ』

と――。
とんでもない程戦いた。
違う。
これは違うんだ。
元あるピースに嵌め込んだんだ。
何度も私のおかげじゃない、素質があったからだと言ってもだぁれも聞きやしない。
挙げ句の果てには人材発掘の天才と囁かれているので戦慄。


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