05
でも困った事にロー関連のシナリオが主に犯罪臭のするものばかりで、メロウとして活動しているもの。
関わるのならやはりハート団としてだろうか。
ここは無害というアピールをするべき。
ローからすれば既に遅しな対応である女は、にこっ、と笑って彼に好印象を見せつけようとする。
「連絡取れたのなら帰り道分かる?付いてっても良い。迷子になっちゃって」
警戒を解かずローはこちらをギロリと睨み付けるとやがて目を細めるだけに留めた。
次のステップ、品定めに移ったらしい。
ふむ、しかし、ローと接点を繋ぐ策は幾つか用意してある。
ふふふ。
「ね、ね。ダメ?」
「川から引き上げた分くらいは助けてやる」
わお、上から目線!
さぞハート団として鼻高々な人生送ってきたんだろうね。
でも、ハート団ってマッチポンプで稼いでいるから実力というわけじゃないんだよね。
魔物を驕れる実力があるにはあるのだが、実践の場数が少ない。
「ありがとう。おわびに虫焼いたから」
「食うか」
「っていう冗談だけど面白くない?」
あ、黙り混んだ。
付いていく事にしてから早くも数分。
やはり体力はあるらしく、サクサク歩いている。
「ねぇ、暇じゃない?」
お誘いしてみるがひたすら無視される。
楽しいな。
無視する態度だけでもニヤニヤしてしまう。
「あ、そうだ。おみやげにきのこ取ろ」
誰にたいしてかというと、ローと合流するであろうヌメヌメを擦り付けた彼らだ。
ヌメヌメ仲間になった記念、かな。
「これ、と、これ」
せっせせっせともいでいき、適当に持ち込む。
「!」
ん?
ローが突然焦った顔でこっちを見る。
貴重なきのこでもあったかな。
「このきのこ綺麗じゃん」
ほれほれ、と見せびらかす。
きっと部屋に飾るのも綺麗だろう。
生えるから飾らないけどな。
「ローはどれが良い?」
「どうでも良い」
相手してくれるとこも好きだ。
「この綺麗なの味見しよ」
お土産なんだから美味しいの上げたい。
「!」
またローが何か言いたげだ。
さっきから気になる見方するなあ。
「トイレならいっといれ」
「くそおんなが」
ローにも分かりやすい洒落を飛ばしたのに綺麗なきのこを炎で燃やされた。
酷いことするな。
これは君の部下にあげようとだな。
「どうしたの?きのこ燃やしたくなったの?」
ストレスだろうか。
ギロリ、と睨まれお前のせいだと聞こえてくる気が。
「お前も燃やしてやろうか」
「やだぁ、魚に食われた女襲うの?」
けらけらと笑う。