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- ナノ -
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――ざわざわ

「団長、起きたら謝るんすよ?」

「ごめんなさいって一言で済む話しですから」

「なんで謝るんだ」

「だーから、何度も言ったっしょ?」

「団長が無意味に捕まえたからって」

話し声を聞きながらどうやって起きようと考える。
ここはどこだろう。

「はうあ!」

――バサッ

「「ぎゃっ!?」」

二名程驚かせたようだ。
ふふん、ざまあみろー、ふふ。
お宅らの団長に捕まえられた仕返しだよ。

「あ、私を捕まえた人だ」

ローも居たのでこれみよがしに言う。

「ほら、団長!ほら!やっぱ!」

「怒ってるんすよー」

「あ、捕まえた人の仲間だ」

「え!おれらまで!?」

「あーあー、逃げないとなー、また無実なのに問答無用で檻の中に入れられちゃうなあ?」

ちらちらと含みを持たせる。

「てめェ」

ローが怒気を感じさせて寄る。

「あーあー、頭打ったから痛いな?なんでだろうねえー?私なんにもしてないのになーっ」

ローがクッと言葉を詰まらせる。

「お前が、悪いんだろ」

「団長!?」

団員達が慌て出す。

「ん?私が悪いって聞こえたなあ?ん?」

「団員!今ならまだ謝れば良いんすよ!?」

「そーだよー?リーシャさんに謝ってごらん?」

謝りやすいように誘導してあげる。
ああ、なんて優しいんだ私は。

「煩い、お前ら向こう行ってろ」

ローが移動させる魔法で団員をこの場所から飛ばす。

「……なにか私に言うことある?」

「あるとすれば、もうユースタス屋のとこには行くな」

まあそれは同じ意見なんだがね。

「なんで私のこと閉じ込めたの?」

「……知るか」

ローがやったのに知らないわけがないだろうに。
いつもと違うな。
ローはいつも余裕がある態度なのに、今はどこか違う。
なにがと思うとまだ分からない。
首を傾げて彼を見上げる。
前に居る人は苦々しい顔をしていて、どこか苦しげだ。

「いつもと、違うね」

「普通だろ」

「うーん。苦しそう?」

更に顔を歪ませる。
それは多分、不快なのだろうか。
睨まれているような。

――ギッ

ベットの上に手を乗せて前屈みになろうとした。
顔を覗きこむためだ。
しかし、先に覗きこんだ男により反応が遅れる。

「そう見えるんなら」

フッと息がかかりそうな距離。

「それはお前のせいだ」

光により若干色が変わる瞳が眼に移りこむ。

「最悪な気分だ」

影が重なった。
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