×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
48
あと、ヨルム、お前の上司は残念ながら好きになれませんでした。
手紙を書いて転送。

――ヒヒーン

魔法の手紙を転送したら馬の鳴き声。
普通羊とかじゃないのかね。
異世界って変なの。

「見つけたぞ」

げ、キッドの部下みたいなやつの顔が見えて舌打ちする。
チッて10回打つ。
打ち過ぎだろって顔をする男を無視して逃げる。

「山へ籠ってやんよ」

山でなら負けないもん。

――ダッ

「オーゴンナイト」

――ブォオオオ

地面からキンキラなものがにゅるる、と出てきて柵のように体を閉じ込める。
鳥かごの形になったそれを唖然と見ているともしやキッドかと警戒する。
でも、キッドって肉体派で魔法とか使わないやつなんだけど。

「なんなのもー。いくらなんでもやり過ぎ!セクハラで訴えるぞ」

――ガシャン

揺らしてもびくともしない。

――コツンコツン

物陰から現れたのは赤い、ではなく、黒曜石のような髪色を持つ奴。

「え?」

いや、でも、なんで閉じ込める?

「トラファルガー・ロー!?」

キッドの部下が驚いたように叫び、ローはちらりと一瞥する。

「悪いがこいつはおれが先に目をつけた」

――ニヤリ

口角をあげてバカにする。
それに対して冷や汗を流す部下。
ここは退散してキッドに報告した方がええぞ。
ヨルム絶対ニヤニヤして聞くんだろうな。
ついに囚われましたぜーって。
うっせー助けろいって伝えたい。

「ちょっと!ロー!セクハラで訴えるぞ!」

いくらローでも台詞は変えません。
そこんとこ平等だ。

「貴様の血は群青色か!?」

なんでそこで群青なんだよって目で見てくるローと部下。
うっせー緑色かとか青色かとかよりもなんかスマートだろう。

「それともフェイクのピンクのペンキなのか!?」

フェイクのってところがまず良く分からない。
自分でも良く分かってないまま言ってる。

「少なくともこの黄金みたいにドロドロしてるんだろうね。血液っていうのはサラサラしてなきゃ駄目なんだから!」

――ガジャッ

揺らしながら訴えかける。
情をかけながらもローを見るが全く通じてない。
うん、それでこそボスたるところだよ、くそー。
ボスがそんな簡単に分かったとか言うわけがないけど、今ここに居るのは自分。

「私は無実よ。解放していやああああああ!」

あ、ちょっとジャンル間違えた。
あばばばばっ。
よし、気絶しよう。

――ドサッ

自分で自分にバレぬように魔法をかけて意識を失わせた。

「は?」

ローの予想外な事が起きた感じのそれが聞こえるか聞こえないか。
判断することなく意識は暗転。
prev * 48/79 * next
+bookmark