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- ナノ -
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ローが朝から会いに来てくれた事が嬉しくてテンション上がる。
そのままの気分で友達=ヨルムのところへまっしぐら。
とは言っても、普通に会おうって言って会えるのか、という壁の問題がある。
行くっていうことはキッド達の滞在場所に行くのと同じだし。
素直に彼女を出してくれるのか、いや、出してもらおう。

「こんにちは」

宿へ向かい宿の店主に挨拶する。
朝食を食べている人達も居るのだが、ノドカというのも言えない雰囲気があった。
酒場に来ちゃったんだろうかという錯覚すら起こしそうな怖い人達が座っていた。

「ヨルムはっと」

「おい、チビ」

「……!?」

問いかけられたのでもしや私のことかと横を向くとさっきは座っていたキッドがここを見ているのに、びくっとする。
てか、初対面でしょ。

「お前がヨルムの昔からの知人か?」

おおお、キッドから話しかけられるイベント発生するなんて聞いてねえー。
ヨルム助けて。
ローとは違う怖さで言葉を失う。

「ヨルム、ヨルム」

必死にヨルムを呼ぶ。
ああ、悪役同盟を結成しただろ私たちぃ!

「ヨルムはヨーグルト食いに出た」

あ、まだヨーグルト好きだったんだね。
てか、タイミング!
でも一応説明とか事前にしてくれてたんだね。
ホッとして良いのか、探られまいかと不安になる。

「……居ないのならまた後で来まーす」

そそくさ、そそくさ。

「待て。おれから聞いてェことがある」

「いや、私にはないかと」

「取り合えずてめェはおれんとこで働け」

「無理ですね」

「あ?」

あ?じゃないしー。
ヨルム、ヨーグルト買いにいってる場合じゃないよ。
友達がお宅のボスに無理矢理傭兵団入れられかけてるよ。

「なぜ私なんですか」

「ヨルムのダチだからヨルムのために入れ」

ヨルム良かったね、あなたキッドに愛されてるよ。
て、んなことはどーでもいーんです。

「い、や、で、す」

目が据わりながらもきっぱり言うとパッと外へ飛び出した。
店内から「追え!」と聞こえて慌てて物陰に隠れる。
おい、お前らは強盗ですか?
追え!とかこんな事で叫ばれるとは思いもよらず。
叫びどころが可笑しい。
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