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彼は伝えたいことだけを伝えると「またな」と去っていく。
これだけの為に声をかけたのだな。
それにしてと参加するとは一言も伝えていないのに。
まぁ、参加させてくれるって言ってるんだし遠慮なく参加するが。
寧ろ、参加させて欲しい。
ローの短パン水着見れるかもしれないんだし。
それを想像して架空のヨダレが伝う。
じゅるり。
変態みたいだと罵られても止めないっ。
悪役だけど人気爆発だったローは勿論夏イベントで必ずある水着を着用していたし、ヒロインもしていた。
ヒロインはロー程ざわついてなかったけど。
哀れヒロイン。
人気には勝てなかったと。
しかし、今回は生の水着を見れるというわけだ。
ペラペラな2Dではなく立体で。
それが叶うだけで太陽に手を向けて拝める。
ありがとう異世界。
最高だ、作った世界。
男が居なくなったのでたくさんにやつける。
こうなったら張り切って旅行の準備しちゃうぞ。
あまりに色々用意すると楽しみにしてたのがバレるだろうから程ほどに。
でも、やはり口許がにまにましてしまうんだろうなぁ。
やっぱり生で見られるんだもん。
家へ着くと直ぐに予定が埋まる。
待ち遠しい日を有意義に過ごせるように錬金術で海を快適に過ごせるものを作っていく。
素材も少なくなるからまた取りに行かなくては。

――ガサッ

その為に鞄を肩にかけていざ山へ。
ローへの薬を作った時よりかは楽な道だ。
山への道は町から出て街道を行き、モンスターがでないように祈りながら進む。
なんかモンスターは人が通るところには本能的に近付かない。
それは弱い種に限ったことで、強かったり追い込まれたモンスターは普通に来る。
あと、襲いにくるのが定番のモンスターも。
人間が目的のモンスターとか。
数を増やすのに、ね。
だから、いくら近寄らなくても普通は徒歩で行くことは基本的に危険なのだ。
ロー達のように力が強かったりなら安定感もある。
でも、それでも歩ける世界というのはゲームの設定難易度故だからだろうか。
まだ冒険にストーリーやゲーム性を置いたものでなかったのが幸いした。
ミステリーとかサスペンスの方だしね。
だからあくまで冒険要素は少ない。
でも、満足してもらえるようにしていたからそれなりに拘っているところもある。
と、冒険の担当は言っていた。
それと、山のルートはゲームだと山のお決まりシナリオもあるから出来るだけペンションとかには近付かないようにしている。
やはりシナリオがたくさんある世界だからどれかに当たってしまうのは仕方ない。
でも、それで加害者と思われるのは不愉快極まりないから。

――ザッザッ

杖を使って山を歩く。
そういえばハート団の好感度結構上がった気がするんだが、どうなるんだろうか。
ゲームでは普通に団員との好感度イベントなんてなかったし、何かするときにシナリオで出てくる邪魔してくる役割だったけど、どうなるのやら。
何も起こらないかもしれない。
でもなあ、ハートの一人からチケット貰ったしそれか?
無人島イベントはきっかけが違うし、水着イベントだったら偶々なのかもしれない。
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