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- ナノ -
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ローがどこかピリピリしている。
と、数日かけて浸透していったのか、気付かないリーシャに話しかける団員達。
しかし、解決にもならずイベントもないので、団員達自らイベントを持ち寄ってきた。
バカンスイベントである。
こういうのゲームで言うと前日談とか、予告編とか付きそう。

「と、いーうーわーけーでェ、行くぞ」

シャチが力んで意気揚々と告げる。

「日焼けしちゃう」

行きたいけど即答えるのもなあって感じで一度は言い淀む。
ま、嗜みだ。
しかし、かじりついてでも行く。
ローの短パン見たい。
太陽に照らされ汗がほとばしるのを見たい。

「ダメだ。お前が行くのは決まってる」

――ドン!

どや顔決めてきた男の態度にふんふんと納得。
なぜに強制参加なのかはさておき。

「分かった。そこまで言われたら参加しないわけにはいかん」

「どんなキャラなんだお前」

近くに居たペンギンが言う。
因みにローの次に悪役であるが人気があるのがベポというキャラクターなのだが、登場の場面が遅めで、おまけに登場する時は関係者ではない無関係を装って迫ってくる。
ヒロインが探偵をしている時に依頼者としてやってくる。
が、実はローの放ったスパイなのだ。

「日焼け止めとビキニ買ってくる」

「おう」

「悩殺期待しとく」

「ははは、ナンパ失敗しといて」

バカな事を言う片方に呪いの言葉をプレゼント。
ビキニとかが売っている店へ行くと中へ入り選ぶ。

「毛皮が付くから入んな」

追い払われている白熊こと、ハート団とメロウの一人、ベポがそこにいた。
この布石がさっきの説明に繋がる。

「そんな」

しょんぼりとしたままとぼとぼと帰っていく。
この世界ではベポみたいな獣人って結構普通に居たりするんだけど、店主が特別に獣人が嫌いな人なんだろうか。
とぼとぼしていく熊を見つめて敢えて今は知らないふりをしておく。
今出会ってもロー達に都合の良さを怪しまれるだけだもん。
ロー達と仲良くなっただけでもかなり警戒されたりしてもなんら可笑しくない事態。
そう思われないようにもう少しメンバーと会うのは遅めにしたい。
なんなら会わない方がまだ信憑性とかあるのではないか。
ベポが見えなくなるまで見てから適当に歩く。
ギルドから出てからいく宛なんてないから、と闇雲に散歩していると向こうから赤い髪の男の人がやってきた。
ヴィラン(悪役)2号じゃん。
2号のことはキャラクターとして知っているが殆ど記憶にはない。
悪役にメロウばかりだとマンネリだということで新章にて登場した。
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