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考えている間にあれよあれよとグイグイ腕を掴まれてしまい、道を歩き出される。
まだ是と言っていないのにこの強引さっ。
ローを翻弄することもあるから、この勢いと話のきかなさ過ぎは太鼓判あり。
そこまで突き抜けてなければヒロインとして成立しない程周りが濃い。
常識的な子だったのに周りが酷すぎて良く見えてしまったのはご愛嬌。
腕を引かれて連れていかれる事数分、馬車に乗せられて彼女の口から聞こえた町の名前はロー達が仕事先にしているかもしれない。
時期がズレているものの、女性がインキュバスに眠らされるシナリオのある事件が起きるかもしれないのだ。
もしも、その事件に当たれば眠ってしまう事になるかもしれない。
前に起きたものと関連のある事件故に先行して行っても怪しまれないとは思うが。
今回はキャシーが居るし、引っ張られて来たのだし。

「着いたよ」

お目当ての町に来たらしく、降りる。
勿論、運賃はキャシー持ち。
辺りを見回しても事件が起きたようには見えず、戸惑った目を彼女に向ける。
説明してもらいましょうか。

「なんなの」

「これから起きるのよ」

胸を張って言うものの、信じられる要素がないことに気付いているのだろうか。

「何が起きるの?説明してもらわないと付き合えない」

あまり友好的にある関係でなかったと思っていたのだが。
片手で足りるくらいしか話したことないもん。

「ここだけの話にしてよ。実はねとある館で変な事が起こるって聞いてきたの。私に依頼が来て」

この子下っぱの雑用してなかったか。
まだ時期的に探偵はしていない。
見習いみたいなもんである。

「それで」

先を足す。
メインストーリーとイベントストーリーとは別だからイベントストーリーが先に来ても可笑しくない。
しかし、その情報は欲しい。
どうにか他の詳しい詳細が分かれば良いが。
着いたようで降りる。

「それを阻止するために行くの」

「私を連れていくのはなんで?」

一応、これでも一般人なんですが。

「なんでって、ハート団と仲良いみたいだし。メロウを止めやすいかなって」

なんじゃそりゃ、まるで人質だ。
その発言に呆れて着いていく足を止める。
キャシーは足を同じく止め、こちらを見た。
己がどれほどバカな事を言っているのか自覚がないのか。
こんなにヒロインは頭がお花畑だったのかと唖然となる。
アテンション状態だ。
危険な思考と人間性に離れるように反対に進むことにした。
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