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- ナノ -
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周りもハート団の活躍に湧いている。
我らが町のヒーローってね。
やっぱりこの町染められてる。
危ない、めっさ危ない。
雰囲気も緩んでるし。
まぁ、平和を甘受したい気持ちは痛い程分かる。
でも、その平和も結構作られた庭の中にある。
それを知らずに安泰と思い、油断させているのはハート団の思惑通りだ。
そして、最近ヒロインのキャシーが出没するようになった。
でも、相変わらず証拠のない論を浴びせるので町中でも町人に睨まれていて拙いことになっている。
真実を言っているのに信じてもらえないってああいう風になるのね、と教訓になる。
やはり、根拠があっても証拠のない言葉は嘘と同じなのだな。
あそこまで言って町の人達に目を向けられているのにへこたれないのは流石主人公。
リーシャには真似出来ない。
メンタルも強くないし。

「人気だね。ハート団。最近も噂とか聞くし」

話していてもやはり彼の口数は多くない。

「どうでも良い」

ああ、ほら、そういう含みのなさそうである言葉は、知っているからこそ意味が深い。
そりゃ、本来の目的は守るためでも人のためでもないもんね。

「また、どうでも良い。ふふ。ローは面白い。もっと自慢してもバチは当たらないよ?」

いや、うそです。
めっちゃバチ当たることしてるんだから自慢したら桶でも降ってくるんじゃないか?
なんて思ってもいる。
自覚しているから自慢しないのかな。
ローは真面目で天然。
真面目なのに裏で暗躍とはなんなのだろう。
知ってるけど、やはり不思議だ。
過去も知っているが、力をつけた今、別にマッチポンプをやらなくとも別の組織が暗躍してくれるだろう。
でもシナリオ通りにならなかったらならなかったでこっちも狂うから変わらないままの方が良いのかな。

「あ、私こっちに行くから。じゃーね」

フリフリと手を緩く振り別れ道を行く。
なんかずっとローの視線が背中に張り付いているように感じる。
勘違いでなければ何かしらに意識されているのだろうか。
でも見すぎな気も。

「いや、疑われているという線も」

疑いが湧くのはハート団が一枚岩ではないからだ。
観察されるのは仕方ない。
調べたって出てくるものなど無い。
なので、痛くないから問題なし。
そうと分かれば違う事を思う。
それは近々ある祭りだ。
祭りは定期的にあるので、たまたま機会を何故か失っているだけだが、ロー達と今度こそ行きたい。
やはり、イベントの関係で行けなかったりするのだろうか。
ローが魔物にやられたのはある意味強制力のせいだろうし。
それにしてもヒロイン関係は強制力がないよね。
今回は前のイベントの代わりとして起こるのかもしれない。
起こらなくても良いが。
祭りの内容はシンプルなものだ。
出店があり、なんだか分からないけど取り合えず回ろう的な雰囲気を楽しむものだ。
この世界はご存じの通り、ご都合主義なゲーム設定が元なので、そうなってしまう。
別に不都合はない、寧ろとっても嬉しい。
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