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26
ロー達と再会して日が経過した。
その間にリーシャもモリモリとアイテムを作り精を出していた。
ハート団も戻ってきたことにより町の活気が更に上がる。
強いモンスターが出たらハート団がやっつけてくれるから安心安心、という心境。
本当の安心ではないと知っている身として、この町の人達はちょっと他力本願ではないかな、と思う。
いざ、あの戦力が反旗を翻したりしたら勝てないよ。
その前に町は占領されちゃう。
歩いているとローがやってきた。
今日は遊ぼう。

「私の気付け薬飲んでくれた?」

送った数々の眠りから解放するアイテム。

「もう飲む必要はない」

不思議そうに断言されるが、ここでにんまりと口角を上げた。

「じゃあ、返してもらおうかな。あれ、結構大変だったし」

「……それはもう無理だ」

「あー、売っちゃった?」

「売ったんじゃねェ。寝てる間にあいつらが使った」

「あいつら?団員が?」

多分寝てるところに居る黒幕の糸を引いてる人達の誰かなんだろう。
ハート団の人達はそういう事しないもん。

「えー、それじゃあ皆に返してって言うよ」

やれやれ、と濡れ衣を着せたまま進む会話。

「あいつらは……違う奴等だ」

言うか言うまいか悩む顔だ。
言えるわけないもんね、幹部達が持ち出したんだよって。

「ふーん?病院の患者さん達?」

可能な限りの人選。
ナイス私。
めっちゃ良いアシストである。

「ああ。バカばっかだ」

酷い言いようだ。
でも、笑える。
ローがそう言ってしまうような人達を知っているし。
だから、ローが可愛くてヤバい。
こんな風に満更でもない風に文句を言うところとか。
そういうことは仲良くないと言えないよ。

「へー、ローがそこまで言うなんて意外」

雰囲気男は魔法も使えて強いのでギルドや人に二つ名をつけられている。
大体強い人は二つ名を付けられていた。
彼の場合は魔公爵。
ぴったりなんだか、なんなのだか分からない。
今のように闇で暗躍しているものの、天然なところを持つ愛され系悪役の名前を欲しいままにしていた。
ネット上では更に弄られまくっていたのは想像に難しくないだろう。

「楽しかったみたいだね。良かったね」

「良くねェ」

ふん、と少し子供っぽい仕草。
萌える。

「ふふ。照れてる照れてる」

照れるか、と言い返す。
もう、言い返してくれるだけでスッゴい進歩してるって感じで幸せ。
あー、今ローと話してるんだって実感する。
隣の位置をキープしたままリーシャはにやにやと締まりのない顔になる。
おっと、いけない。
ローに見られでもしたら咎められるかもしれん。
変な奴、とか思われそう。
いや、とっくに思われてるな。
今ここに居られるだけでも天にも上る気持ちというのを言いたいだけだ。

「この前は沢山声かけられてたね」

復帰した日が過去に思える。
そんなに日が経っていないのに、だ。
多分今までの休んでいた分を取り戻すかのように仕事をし好成績を納めているからかもしれない。
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