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いや、忘れてただけだよ。
日常的に使うなんていう描写も少ないし。

「貴方が文句ばかり言うから。聞かなきゃダメなの?わざわざ帰って来て1日目で言うこと?」

言葉を強調して首をこてんと曲げる。

「いや……気になっただけだ」

構うな、なんて言うが、一番気にしてるの君じゃないのかね。

「じゃ、やっぱり復帰祝いされてきなよ」

ギルドもお祝いムード一色。
皆、ローに声をかけたくてウズウズしている。

「お前はどうする」

「ん?私は帰ろっかなって」

「さっきの言葉に深い意味は無いと言ってもか」

おや、もしかして、さっき空気悪くしちゃったから気にしてんのかな?
ふふ、目が離せなくなってきたのかな。
なーんてね。

「用事あるし。また声掛けさせてもらうから」

にこりと笑う。
こういう時にポイントを稼ぐ。
うん、我ながら順調だ。
リーシャはローから視線を前へやり、また歩き出す。
次は追う気配もないのでぶつかる心配はない。
さっきは急に出たからびっくりしたな。
ボスっていうか、黒幕の名は伊達ではないのだ。
ローが自分の存在をちょっとでも気にかけているかもしれないと知れただけでヤバいくらい嬉しい。
ニマニマしてしまう。
もし、あそこでローをからかったらどうなっていたのだろう。
普通に怒って行ってしまうのか、それとも怒らなくて、冷静に流されるのか。
気になったけれど、そんな事を言う気分でもなかったからなあ。

「帰ろうかと思ったけど、ちょっと覗こう」

ハート団もローも大好きだもん。
復帰して、周りに絡まれているのとか見たらついついそっちにそそられる(?)のも仕方ない。
写真でパシャパシャしたい。
記念写真撮りたい。
笑顔とかそういう贅沢は言わないので。
でも、ハート団の皆、本当に嬉しそうだ。
いつ目覚めるか分からないローを健気に待っていたんだろう。
病院に居る間もそわそわとしてたし、落ち込みも半端ではなかった。
子犬みたいだと思った程。
中を見つめているとパーッと盛り上がっていて、ギルド内が賑やか。
影の黒幕組織なのに、可愛く見えるのはシナリオ担当フィルターが我が心臓に搭載されているからだろうか。
いや、マジじゃなくて、本当に搭載されてないけど、贔屓目ということを言いたいのだ。
黒幕なのに以下略。
ぼちぼち離れた。
水路の橋を渡りてくてくと散歩する。
思考にぽわんぽわんと囚われた。
もし、悪の組織のローが違う組織、敵対している組織から狙われて捕まったりしたら「く、ころせ」とか言うのかな。
そんなシーンはあった気がするが、そんな台詞はなかった。
あったらいいなそんな台詞。
ズタボロで敵地に転がされて唇噛み締めてるスチル、シーンがあったら悶えられる。
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