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- ナノ -
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次の日からコツコツと長い間を要する錬金術を使い、色々アイテムを作成した。
あれ、この流れはまるで錬金術のゲームのようだ。
いかん、ここは魔法の世界なんだ。
不思議ファンタジー体験しなくてどうするっ。
ぐぬぬ、と己の迂闊さを悔い、なんとかファンタジーを満喫しようと計画する。
リーシャは戦うような職業でもないが、海に行って潮干狩りすることにした。
職業は関係ないか。
そうと決まれば錬金術はその後にし、海へ向かう。
シュノーケルも勿論作ったから持っていく。
よし、泳ぐぞ。

「うおおおい」

海に飛び込もうとしたら猛烈に止められた。
なんでも最近魔物が海で出没するので今は遊泳禁止となっているらしい。
なんですと。
そんなベタなイベントなんて。
やはり海と言えば触手を持つ生物がお約束だよねー。

――ドゴオオオ

海から上へ何かが出てきた。
あ、リヴァイアサン系統の魔物だった。
酸っぱくなる空気に海から二歩下がる。
ごめんよシュノーケル。
今日は君の出番はなさそうだ。
リヴァイア的なモンスター相手に狩りは無理だ。
なかなかハードな現場である。
別にリーシャは冒険者じゃないから倒す義務も正義感もないので、ここは帰らせてもらおう。
地元の人も引き留める問題だからね。
魔法書でやるのも出来るが、人の目もあるし、モンスター相手に戦う度胸はない。
モンスターイコール野生のライオンという認識の自分には更に恐怖もプラスされている。

――ザアアアン

モンスターが動く度に波が立つ。
水飛沫がこちらに来る。
人間方面にやってくる気配はないので別の海を探す事にした。
次の海はモンスターが居る気配がない。
うん、今度こそシュノーケルの活躍が光るだろう。
海で遊びながら片手でアイテムを作成なんて、まさに満喫しているな。
ここは冒険が出来て魔法もある世界なのに、もうちょっと摩訶不思議系の事件が頻繁に起こらないものか。
ハート団が今休止しているからかな。
それとも、メロウが同時進行出来ないからか。
どっちもだろう。
メロウ以外にもそういう組織が居そうなのだがどうなのだろうと頭を悩ませる。
設定ではそこまで突っ込んでなかったしなあ。

「あ、これも入れよ」

今はアイテム作成中。
山に上るのはやっぱり好きじゃない。
もっと簡単に手に入れば良いのに。
転移とか欲しいが、そんな簡単に得られるもんじゃない。
その間に町中で噂がたった。

「ハート団が戻ってくる」

というものである。
ああ、ローが目覚めたんだ。
思っていたより早かったな。
誰かが揺り起こしでもしたのか。
それとも、何か食わせて副作用でも起こしたのだろうか。
最新医療を受けてそっちが効果を発揮したのか。
ここまで噂が来るのだとしたら戻るのももうすぐだ。
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