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秘書は知らんが、さるお方っていうのはもしかして本編最大の黒幕のことか。
なぁんだ、変な組織に目をつけられたのかと思った。
ローの名前を言っといてさるお方と言わないからローの秘書ではないだろうし。
それにしても、闇夜に来るなんて。
真っ昼間に来て欲しいなぁ。
何か話そうと思っても話題もないし、得たいも知れない。
黙って部屋に通され、そこがローの居る部屋と知って驚いた。

「やっぱ起きてないか」

顔色を見ると悪い。
豪華なベッドに寝かされていて、いかにもな感じだ。
因みにブルーリボン国を納めているのは黒幕の指示であり、ロー本人は全く関与していない。
丸投げ、なのである。
ブルーリボン国のトップなのに知られていないのは、住んでる人もローがトップなのを知らないからだ。
なぜ権力者がローに与えたのかは本編で明らかになるが、それよりも今はローを目覚めさせることが優先。
お酒を先に飲ませて、お酒で丸薬を飲み込ませる。
お酒を唇に当てるが意識がないせいで一向に飲み込んでくれない。
しかし、息はしているのでどうにか飲ませられるかもしれないと思案する。
ここはやはり無理矢理飲ませる体でいくか。
女であるが今は愛あるキャラクターを救う為に恥を飲む。
自分で酒を飲みローへ移す。
ごめんよ、なんか。
顎を伝い男の喉へ酒が滴り落ちる。
うん、エロい。

「ぷはっ」

その間息が吸えなくて大変だ。
一回で終わって良かった。
救済処置なのだから誰かしら許してくれるだろう。
てか、誰にも言う気ないよ。
終わったけどどうすれば良いんだろう。
ダークエルフがタイミング良すぎに、ここへ来たと知られたら、ローがブルーリボン国の最新医療を受けにきたと言えば良いと述べる。
いやだから貴女誰なんですかね。
凄い聞きたいけど、ここ黒幕の本殿だからこの人もそっち側だろうし。
ダークエルフはまた転移しボロ宿へ送ると颯爽と消えた。
シーンとした空気にベッドへ横になった。

「実感ない」

手を見た。
匂いを嗅ぐとお酒の匂いがある。
丸薬の効き目は滅茶苦茶遅くして作った。
まぁ一年以内には起きるだろう。
だって、今日明日に効いたらあのダークエルフにも、なんならそのさるお方にも当てられてしまう。
聖なる魔物に効く薬を作れるってさ。
そうならない為に保身も考え作った。
長い間探して作ったのにあっさり治られるのも釈然としないし。
あと、ロー達がやっている事がズレればその間にもっと経験値貯めて自分のレベルを上げられる。
これからの事件や冒険に対処する数も増えるという計算が頭にあった。
あと、ローが戻ってきた時に、彼を起こす為に頑張って色々探していたのだというのをアピールする為に、激辛丸薬や痺れる丸薬、不味い丸薬などなど、揃えておきたい。
ハート団の皆にもこいつ、良いやつ、みたいに思われたい。
組織に目を付けられるのも避けられるし。
でも、あのダークエルフが懸念材料だ。
どうして、ここへ来てあそこに連れてきたのだろう。
大物黒幕の指示なのか。

「ま、結果を待つとするか」

今はローの復帰まで己のやるべきことをするまでだ。
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