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「#エロ」のBL小説を読む
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- ナノ -
19
乗り合い馬車にも乗り、町へ町へと向かう。
場所は分かっているから迷う事はない。
ヒロインのキャシーが奔走したのは焦っていたから。
なので、焦らなければ急ぐ必要もない。
で、ゆっくりやって集めた二つ。
凡そ三ヶ月半。
ちょっと人魚のお茶会でお茶飲み過ぎてお腹たっぷたぷ。
スコーンも食べて体重が心配だ。
人魚達にまた来てね、ハート。
と手を振られ見送られる。
人魚と知り合ったのは本当に何のつもりもなく、打算も計算もなかった。
ハート団が居る町へ行く途中に干からびそうになっていた人魚を海へ放り投げただけだ。
苦労したのは銀リンゴ。
魔法書頼りのリーシャは頑張って魔物を避け、錬金術で作ったアイテムを駆使して登った。
途中もう登りたくないと嫌になったりもした。
しかし、苦労したのにあっさりローに使用するのもなんだかなぁ、と躊躇する。
登山なんてやったことなかった女が汗だくになって作ったもの。
治して特に何も思われなかったなんてオチは納得いかない。
ローに「私が治しました」「恩を着せる気か」フンッみたいな反応されるのが一番されたくない。
かといって眠ったままになっているのもねー。
時間をかけるのも理由があり、呪いをかけられてすぐに治ると薬があるのではないかと周りに思われるから時間を置いたら、時間がかかって目覚めた体を装えるし。
ロー本人にも薬ではなく気付け薬を飲ませて激辛の実を食べさせて目が覚めたと思わせるつもりだ。
銀リンゴと人魚の涙とその他の丸薬を手にローの居る病院へ向かう。
が、そこにローは居なかった。
ハート団も居ない。
話によれば医者を探して大陸を移動したという。
ああ、絶対黒幕の支援者んとこ行ったな。
最新設備とかあるし。
ボロ宿を再び借りて一晩眠ると真夜中、人の気配に目を開けた。

「……ダークエルフ?」

月の光で相手の輪郭を確定。
珍しい、ダークエルフとか。
ダークエルフとはエルフのブラック色。
ノベルではストーンな体型が基本だが、目の前に居るエルフは妖艶な笑みを浮かべて、ワガママボディだ。
エロスが爆発してる。
黒いお姉さんはこちらを見つめ、とろんとした瞳で見つめてきた。

「なに!?」

勿論、初対面だからビビる。

「トラファルガー・ロー様に会いたくありませんか」

「……!」

なぜローの事を口にするのか。

「貴女はなんなんですか」

「私はさるお方の秘書をしております」

彼女は言葉少な目に私に付いてきてと腕を引き魔法を唱えた。
これって転移系の魔法だ。

――フワッ

――パアアアア

魔法陣が足元に浮かびやがて光が視界を覆い尽くし次に光がなくなる頃には道端に立っていた。

「ここは」

「ブルーリボン国」

「え?」

ブルーリボン国ってローが納める国じゃん。
黒幕なのに納めてるという設定がまたシナリオを深くしている。
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