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- ナノ -
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――二年後

やったよ、二年間、我慢した。
ローが若いから特にこれといった事件はなかった。
過去の事件をなぜ知っていたかというと、そりゃ製作陣側だもん。
知ってるよ。
二年の間、ハートとローとで地道に交流してきた。
酒の席に誘われたり誘ったりなんてこともした。
ロー本人はあまり来ないが。
しかし、団員達の相談を聞いたりしてアドバイスしたり。
一人一人の性格などを知っているから親身になれた。
たまにヒロインのキャシーも来たが、ハート団もローも取り合うことなどしない。
証拠もないし。
キャシーの妄想癖と思われている。
ちょっとはローとも話せるようになった。
事件の関わりはあまりない。
場所が離れすぎているところもあるし、一々関わっていたら疑われるし。
本音は見たいのだが。
二年経って青年から成人男性になった皆。
女性団員も居るのだが女性はあまり変わらないからあまり実感はない。
過去編はちょろっと企画があったが、まだ立ち上がる段階ではなかったからこれでも感動している。
二年間頑張ってトラファルガー・ローの好感度をあげようと健気になっていたんだが、最近挫折しかけている。
ローが強いからすり寄っていると思われないように慎重にやっているが成果がいまいちなのだ。
ハート達とは表では平和に馴れ合っているのに。
裏では知らぬふりをしているからあまり関係ないかな。
ローと仲良くなる何かがないものか。
悩んでいても日は進むので考えることはしないうにした。

「あ」

ローが町中で歩いているのを見掛けて声をかけようと走る。

「おーい」

愛嬌良く向かったのに相変わらず無の顔だ。
笑うというのも悪い顔だから笑っているとは言えないのだけどね。
そういう所も好きだけど。
こちらを見る彼はそのまま歩こうとするので横に並ぶ。
クールだね。

「町中で会うのは久々だよね」

にこにこと笑みを向けながら言うが「構うな」と言われる。
二年前は返事も返されなかったのだから凄く進歩したと思わないか?

「もうすぐお祭りだね。ロー、行く?」

彼は顔で行くわけないと示す。
ま、そりゃそうか。
でも、団員達にどうせ連れ出されるんだろうけど。
にやにやして去年の事を思い出す。

「今年は射撃大会もあるらしい。私も出よっかな。ローもどう?」

「興味ない」

「ふうん。まあローは魔法使えるから砲術はあんまり得意じゃないって事なのかな」

いや、黒幕の黒幕さんに砲術も込みで仕込まれたの知ってるから本当はやれる。

「あ?」

食いぎみに反論してきた。
別に怒らせるつもりは欠片もなかった。

「ん?」

怒っても怖く思わないから何も聞いてませんでした、を装い首を傾げる。

「私も得意じゃないから。ローも参加しよ。皆でやった方が絶対楽しいし。ね」

「おれはやら」

「あ、私用事あるしもう行くね」

ローの拒否権?
ありませんが何か。
っていうか、発言権?
どうせNOしか言わないんだし聞く意味もない。
え?本当にローが好きなのかって?
キャラ愛最高値だとして、それとこれとは別じゃないか。
どんな姿の相手でも見たいと普通は思う。
相手がやる気ないなら無視すれば解決解決。
わっはっは!
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