14
ご飯を食べ終わると午前と同じように午後も動き回る。
相変わらずハートと近づきたいからか仕事が増えてしまう。
皆分かってんのかな、自分がインキュバスに襲われたって。
ま、分かるわけもないか。
何回か起こってからヒロインが暴くって感じだし。
「きゃ」
――バリン
「……大丈夫ですか」
ここは病院で貴女達は患者って事を忘れている行動に辟易する。
その割った花瓶掃除するの誰だと思ってんのかな。
「私、帰るね。目覚めたんだからもう見る必要もなさげだし」
「おう。なんか悪いな。お前が一番早く来たのに」
ううん、と首を振る。
「私一人じゃ無理だったから」
苦笑して病室から出る。
奇しくもローの言う通りになってしまった。
誰も感謝してくれない、か。
ハートの人達には滅茶苦茶言っていたんだけど、ローの言葉は自分にしか当てはまってない。
あ、でも、ハートに限り例外なら今まで同じ事を繰り返してきたからハート以外の人達が割りを食ったという意味で言ったのかもしれない。
なら、大当たりだ。
もう一回眠れば良いのにとちょっぴり苦く思った。
ベンチでタソガレテいるとローが遠目に見えて、手を振る。
手を振り返すのもなく、それ見たことか的な目で見てきた。
「嫌われてるの私?」
あんだけ怒らせたら当然か、と一人笑う。