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13
どうして機嫌が悪そうなのか。
もしかして気分でも悪いのか。
気にしながら他の人の所へ向かう。
数秒後には咳き込むので大丈夫ですか、と声をかけるとなんなのこの女、という目で見られて驚いた。
聖人でもないので呆れた。

「おーい」

もう放っておく事にした。
呼ばれたので行くとハートの一人が休憩しよう、と言う。
そして、それに残念な声を上げる女性達。
もしや、さっきから何かと迷惑をわざと起こしている人も誰かと話したいが為にあんなことをしていたのかと今さらながらに気付く。
もっと早くに知れれば他の人を介抱出来たのに。

「お疲れさん」

かけられながら昼食を食べることになったと言われ、お腹も空き始めたところなので有りがたく思う。
この世界のご飯も美味しいのである。

「そういえば、昨日貴方達のリーダー見たよ」

「ああ。昨日まとめのやつやったんだよ」

きっとインキュバスの隠蔽を確かめる為だな。

「なんか不機嫌そうだったけど」

「キャプテンいつもあんなんだ」

確かにローの眉間のシワはいつもあんなもんだ。

「ここ美味しいぜ」

連れてこられたお店はお洒落なところ。
前に来た事があるんだと言っていたが、事件を起こす為に下見に行った時に見つけたんだろう。
色々裏話を理解しているから聞いていても楽しい。
食べている間にも彼らの活躍を聞いた。
その裏での暗躍も思い出して、そういやそうだったなと染々感じる。
色々やらかしてるんだ。
しかし、彼らもイベントの悪役、黒幕ではあるが、その裏には巨大な陰謀がある。
その話はまた追々。



***



ダークside


取引や話し合いをする時、メロウは素性も素顔も晒さない。
インキュバスの男は上機嫌に今回の出来事に大変満足していた。
顔を隠し通信越しの相手にも良くやったと褒める。

「金額に違わない手際だ」

「細かいことはどうでも良い。話とはなんだ」

インキュバスと話すのはロー。
相手はローと知らないが。
インキュバスは機嫌が良いまま、次のターゲットと依頼について話し出す。
それにメロウ側は拒否。

「短期間での依頼は受け付けてない。時間を明けなきゃ感付かれる」

低い声で言えば、インキュバスは渋くなる。

「用はそれだけか」

「待て。それなら別の組織を紹介したい」

「ほォ?」

メロウに持ってこられるのは確率の高い成功依頼か、上からの指示か。
別の依頼ならば種類も違う。
ローは足を組み直し聞いてやろう、と薄く笑った。
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