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これで黒幕じゃなかったら尊敬していただろうに。
数分後、やってきた彼らに久々だなと挨拶され花の事をいうと快く手伝ってくれた。
これで黒幕以下略。
きっと手伝ってメロウとして、ハートとして上手く運ぼうとか思ってんでしょうなあ。
ニヤニヤ。

「なににやついてんだ」

「皆なんだかんだで手伝ってくれてやさしーなーって」

色んな意味でニヤニヤした。

「ばっか。褒められてもな、なァ?」

声が上擦る者も居て、表側がシャイだなと突っ込む。
逆に裏ならどうなるんだろうとワクワクする。

「皆、カルテル?点滴の扱い手慣れてるね」

ぽん、と投げると彼らは自慢げに「今まで色んな人間をサポートしてきたし、医療も叩き込まれてるからな」と鼻高々。
凄いね、尊敬する、とアゲアゲに囁く。

「皆が居るだけであっという間に終わったよ。本当に助かったわ」

お上品に礼を述べる。
印象を良くしておきたい。
テレテレしながら佇む彼らに一息入れさせた。
お水を持ち寄ると彼は気前良く飲んだ。
それにしても、原因不明なのに有名で多忙な冒険者を呼ぶなんて、この町はお金を持っているみたい。

「ここへは救援で呼ばれたんでしょ。具体的には何をしようしているの?」

「んー。取り敢えず患者の診察かな」

「民間人は良いとして、有権者とかはどうするの?」

「契約書書かせてからってとこか」

成る程、それならトラブルも防げる。
ふんふん、と話を聞いていると突然病院の扉が激しい音を立てた。

――バアアアン

慌てて振り向くと下っぱ探偵の女ヒロイン、キャシーが般若の形相で室内を見回して正面で話していたハートの人達をねめつける。
え、もしかして拙い事を言う気じゃ。
それにしても扉の蝶番が弱々しくヒラヒラと動く。
壊れたんじゃね?
請求されるなこりゃ。

「ハート団っ。やっぱりあんたたちなのね!」

「はァ?いきなりやって来て何言ってんだ」

もっともな発言。

「あ、ん、た、た、ち、が!黒幕なの知っているんだからね」

力強く言い切る女にマジかよ、と痛々しく思う。
証拠があるなら兎も角、メロウは証拠も何もかもも絶対に残さない。
それに、イベントは絶対に捕まらない上にいつも空回りするのだ。
ただの狂言扱い。

「おい、警備呼べ」

ハートの一人が鋭利な声音で唱える。

「ここは病院で、今ここには患者も居る。お前が一番非常識な人間だって自覚しろ」

ハートの一団は頭が切れる。
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