×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
09
女主人公が固定されていて、恋愛もうっすらあるようでないものも多々ある。
が、基本さっぱりしたシナリオが多い。
そっちの方が男性プレイヤーを取り込めるから。

――バタン

――ギシギシ

軋む。
穴抜けしそうで若干怖い。

「おーい」

外から声が聞こえて窓を見るとハートの団員の一人がこちらへ向けて声をかけてきていた。
なんで知ってるんだろう。

「やだ。どうしたの?」

見栄を張り言葉を選ぶと相手はニヤッと笑って答えた。

「もう宿に着いたんなら飲もうぜ」

「え?」

きょとん、とした。
どうしてこんなに誘ってくれるんだろう。

「どうしてここまで……」

「そりゃ、キャプテン助けてくれたし!」

心の底からの感謝が胸に響く。
偶々だし、偶然なのに。
嬉しさが堪らなくせりあがってきて二つ返事で肯定。
別にローが居なくても気にしない。
なんせ、団員達だって色んなシナリオで愛でてきたから。
ハートの人間なら誰だって会えただけで嬉しい。

「誘って貰えるなんて嬉しい。一人で来たからこういうの憧れてたんだ」

一人の男に案内してもらいながらさっきのギルド内にある酒場へ連れていってもらう。

「そうなのか?お前の居たところってそんな田舎なのか」

おっと、探ってるのかもしれない。

「うーん。まあ田舎には入るかも」

名前がない村なので。
それほど未開拓なのだ。
そういう所は世界観があべこべ故にあるのだ、沢山。
酒場へ行くとロー以外のハートの人達が結構居た。
皆スタンバイしてたのかもしれない。
そして、肝心のローは機嫌が良くなくて、どこかへ行ったのだろう。
あれだけからかったら面白くないもんね。

――カチン

グラスを寄越されて合わせられる。
歓迎会のようで幸せ。
今日はぐっすり眠れそうだな。
ハートの人達の宜しく、という言葉に笑みを溢した。



朝、イベントが起こるであろう町へ行く為に馬車へ乗る。
特にハプニングもなく目的の場所へ着いた。
やはりイベントは体験したい。
が、何をされるのか分からないから、やめとこう。
起こるであろう集団睡眠の範囲から離れたところのボロ宿を取り、備えた。