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- ナノ -
蜂は蜜を運ぶ。
それを嬢王蜂は得て、子を生む。
自然の摂理。
人間はどうなのだろう。
利権を搦めて子を成すのは人間だけだ。
人間は自然の摂理からズレて存
在している。

読んでいた本を閉じる。
なにもすることが無く、寝床に本を持ち込んで読んでいたが随分とインテリな本。
逆に子守唄みたいに瞼が重くなった。

「おい、もぐら」

「はいはい、モグラでぇす」

「認めんな。否定しろ」

曲がりしている男のセリフに力なく対応。

「私は怠慢なモグラなので」

「人間にもどれ」

男があまりにも言うものだから渋々這い出た。

「私のこと知ってるよね?暫く動きたくない」

「残念ながらお前に仕事だ」

「確か、私って戦利品だったよーな」

「頭のある戦利品なら使うのも当然」

嫌だ、ここにいるんだもん。

「ごねるなら、全裸で過ごすぞ」

「え、もしや、アナタが?」

「おれがだ」

「私じゃなければご褒美」

つまり私にとっては迷惑である。
そもそもローが裸とか本当にやれるのかという疑問と不思議に襲われた。
常識的なところが残るのならやるとは思えないが。

ニヤリと笑うローはボタンに手をかけるがどーせフリだ。
そもそも罰が本人ではなく与える者なんて破綻してやないか。

「それとも、お前を穴蔵から出すようにあいつらに命令してやろう」

悪魔の司令。

「仕事、なんでしょう」

切り替えは大切だ。

「聞き分けが良い。いい子だ」

「いい子にさせたくせに」

ぐちを無視して彼は仕事を伝えたくる。

「は、はあ!?なに言ってるんです」

思わず滅多に無い叫びに口を開ける。
言われた内容に唖然なんてレベルじゃない。

「勿論イッカクが主体。おまえはオマケ」

「おまけと言っても最前線じゃないですか」

訴えても覆らない。

「これは命令だ。命をかけろとまでは言わない」

言われたら即身投げして意地でも海岸に脱走する!

ローに頼まれたのは気楽なお使いでもなく、雑用でもない。
潜入である。
皆さんお忘れでしょうが私、これでも一般人の身体能力しかないんですけど。
ローは私を抜擢剃る理由を語る。

「メイドの募集はしているが男の雇いはない。当主が女好きっつーのもある」

「そんな死地に私を?」

それもう襲われる流れ。

「イッカクから離れなきゃ安全だ」 

「仕事ならバラバラに采配されたら無理なんですがね」

「そこは切り抜けろ」

無茶苦茶な男である。
そもそも身体納涼的に荒事に役不足極まりない。

「それだったら船長さんが女体化すれば解決するんだ」

ジト目に攻めたてる。

「無理だ。女体化する方法がない」

「諦めないでくださいよ。そこは可愛い居候を危険な目に合わせないように頑張るべきです」

自分で可愛いと言うのかという視線をガン無視。
悪いのは無茶振りするローである。

「襲われたら本当にどうにもならないんですけど」

「手立てはあるから大丈夫だ」

「捻り潰してくれるんですか?」

世の為になる。
一石二鳥だ。

「お前海賊に染まってきてねェか」

厭らしい笑みを浮かべられ、とんでもないと一歩下がる。

「安全を保証されないと割に合いません」

お前が動くわけじゃないと言われ、カモフラージュに2人居るだけだと言い含められる。

任務なんてどうでもよくて、危機感は別にあるのだ。

「絶対襲われる」

「お前は平凡だ。おまけにイッカクが狙われるから盾にでもすればいい」

うーん、宥められているのに喜べない言葉のチョイス。

確かに気を取られるような女が近く居たら私なんて気にならないよね。

「信じますよ?あと、終わった後の給料下さいね」

「わかってる。特別任務で色をつけておく」

「破ったら下着を脱色しますから」

男は本気の目に言葉を失い、少ししてから神妙に頷いた。

ついでにパーカーも脱色して羽つきの服から羽根を毟り取るつもりだ。

「後悔させますからね。がっかりさせますから」

念押しする。

一般人でこの世界で最弱な私の念押しに不安になったのか、小さな声で計画を練り直すか?と聞こえた。

言った側から不安になるなら指名するな。

失敗してもなんら可笑しくないんだからね。

説明を求めるとメイドを欲しているのは富豪。

近々その人が計画する催しがあるらしい。

そこに参加するのはシャチたち。

ローは目立つので裏で動くんだとさ。

私も動かないといけないくらいの人手不足はヤバいぞ。

私を起用するって最早末期!

「トラファルガーさん、アナタのカリスマ性を駆使すればアルバイトでだってやってきます!やる気だしてください」

「不足してんのは女だ」

「皆に女装させれば解決です」

「計画にも杜撰過ぎるから無し」

やめればいいのに。

「そもそも私を選ぶから杜撰は決定です」

何度役不足では?と漂わせても己が女故に強制イベントらしい。
女だったことが悔やまれる。

「よし、潜入のイロハをイッカクから教えてもらいに行け」

まさかの研修付き!?