04
「はぁ〜、やっと終わったー」
「どの学校でも校長の話しが長いのは伝統かなにかでもあんのか」
「あははっ!案外ありえるかも」
入学式が終わり、今は大学の食堂で昼ご飯を食べていたリーシャとロー。
ペンギンとシャチは用事があると言ってどこかへ行ってしまった。
「うーん、やっぱり食堂って新鮮だよね」
「まァな。俺も高校はパンばっかだったから食堂で食べんのも久しぶりだ」
「偏食だったのかー」
「食べんのが面倒臭かっただけだ」
(ローらしいや)
そんな事を思い、食堂で注文したカレーライスをもぐもぐと食べながらローのから揚げ定食をちらりと見る。
「あ?欲しいのか?」
リーシャの視線の意味を汲み取ったローはリーシャに尋ねる。
「うん!欲しい!」
ニコニコと嬉しそうに笑って即答するリーシャにローはフッと口元を緩める。
「ほらよ。心して食え」
「ありがと。心してもらうよ」
軽口で話す二人。昔からこんな感じだったため、お互いが気兼ねなく話せる。
「トラファルガーくん……一緒に食べない?」
そんな二人に一人の女子が話し掛けてきた。
「……好きにしろ」
相手が話し掛けてきた途端、不機嫌なるロー。
一人の女子が喜びながらローの隣に座るとローを先程から見ていた他の女子達がわらわらとやってきた。
「あはは……」
リーシャもローの隣に座っていたのだが、あまりの女子の気迫に頬が引き攣った。
(中学の時でもこんなにいなかったのに……)
積極的な女子達にリーシャは中学とは比べものにならないくらい、ローはこれから苦労するのかと半分哀れみ、半分同情の目でローを見る。
「そんな目で見るんじゃねェ。から揚げ取り上げるぞ」
「え!それはダメ!」
ローの言葉に急いでから揚げを口に入れる。
「ローくんは何学科なの?」
またもやローに話し掛けてきた女子の一人。
「……関係ねェだろ」
「え〜、そんなことないってー!」
適当にあしらうローだが、なかなか引かない相手にどんどん顔が険しくなっていくのがわかった。
「ねぇトラファルガーくん、メアド教えて!」
「あっ!私も!」
「ずるっ!私にも教えてローくん!」
次々と連鎖していく言葉にローはついに我慢できなくなった。
「……行くぞ」
「え?あ、待って!」
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