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一方、照れるリーシャに対しローはというと。



(……あと一押しだな)



ニヤリと確信犯の笑みを浮かべていた。
リーシャに弱い自分を見せて良心をくすぐろうと計画していたのだ。
もちろんローが言った言葉には一つも嘘は含まれていない。
本当に一つの部屋に住みたいが為の罠、いやいや……本音だ。
リーシャの性格やツボを心得ているからという策。
なんというか、待てない。ここまでお互いを理解して恋人というポジションを得たからにはやらなければ、やりたかったことや言いたかったことが、今ならできる。
ずっと触れたくても触れられなかったリーシャ。
友人としての地位を保つのはかなり理性を総動員させたものだ。
好きだと気づいた時には友達以上恋人未満。
既に遅しと諦めと未練を残していた。
そんな時に、大学も同じという棚から牡丹餅。
それに、部屋も隣だという、ローですら奇跡を信じた程。
願ってもいないチャンス。
リーシャに彼氏がいるという勘違いを起こしながらもやっとたどり着くことができた。



「ロー」

「なんだ?」

「ローがそこまで考えてくれているなんて、知らなかった……」



ローの予想通り、リーシャは目を潤ませながら感動していた。
一瞬誘っているのかと手を出しそうになるがグッと堪える。



「わかってくれたらいい」

「うん……でも、やっぱり却下ね」

「……なに?」



しかし、ローの思惑はくしくも砕かれた。
そう、リーシャはローよりも一枚上手なのだ。



「ローと私が大学卒業して、就職したら考えるべきだと思う」

「……はァ」



先程の余裕は一欠けらも残さずにバラバラに砕けてしまったローは、反論と不満を彼女の特上の笑顔を見ながら飲み込むしかなかった。







お隣りさんはどうやら簡単には折れないそうです





(あ、そういえばまた青汁注文しとかなきゃ)

(まだハマってんのかよ……)

(次からはローも飲んでね。これぞローが望んだ共有!)

((マジかよ……))


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