05
「いいんですよぉ、面倒臭いし。あの子って困った顔をすれば嫌な事全然してくれますし」
女がそう言うと二人の女も可笑しそうに笑う。
「そうなんです〜!」
「リーシャちゃんが入ってきて仕事が減ったよねぇ!」
悪びれることなくリーシャという女の悪口を言う女達にハートの船員達は身震いを起こす。
((((女って怖ェ!!))))
「あいつはいつ頃この店に来たんだ?」
「えっと〜……確か三週間前くらいかなぁ」
しばらくすると三人のウェイトレスはほろ酔い気味で面白いぐらいにペラペラと喋り始める。
「どこの海の出身だ?」
「それがぁ、リーシャちゃん教えてくれないんですよ〜」
「そうそう〜……あ、そういえばリーシャちゃんこの前麦藁海賊団のルフィだっけ?その人のファンだって言ってました〜」
彼女達の言葉にローはピクリと反応する。
「麦藁屋をか?」
「はいぃ」
(麦藁屋……確かおれと同じ億越えのルーキーだったはずだな)
ローがそう考えていれば噂のリーシャというウェイトレスがこちらへ来るのが見えた。
すると隣の女がローの身体に擦り寄らせてきた。
「あのぉ……二人で今から抜けませんかぁ?」
女は猫撫で声でスッと手を腕へ絡ませてくる。
だがローは表情を変えず女を椅子から落とした。
「きゃあっ!?」
「「……!?」」
女の悲鳴にテーブルにいる全員がこちらへ向く。
リーシャもこちらの騒ぎに気づきやってくる。
ローは計画通りに事が進み、こちらを尻餅をついたまま睨みつけている女すらどうでもよく感じた。
「どうし──」
「いきなり何すんのよ!!」
ローは叫ぶ女を馬鹿にするような目で笑う。
「ハッ……身体目当てなら違う店で働け」
「なっ……!」
口元を上げながら発した言葉に女はカァッと怒りに顔を歪める。
「ちょっ、お、落ち着きなさいって……!」
リーシャは何故か怒っている女子Aをなんとか宥めようとしてローとの間に入った。
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