02
そんないらないサプライズのような日から数週間が経過。
その店で知った事はリーシャ以外の女性ウェイトレスが多かったということ。
「見て見て!今日も新聞にトラファルガー・ローとハートの海賊団の記事が載ってるわ!」
と女子A。
「キッド海賊団のユースタス・キッドもあるわ!」
と女子B。
「ドレークさんの手配書貰っていい?」
と女子C。
「あ、トラファルガー・ローの手配書は私が貰うわ」
とまたまた女子A。
開いた口が塞がらないとはまさにこのことだ。
この世界の人達は海賊を恐がっている人ばかりだと思っていたが、この光景は私の元いた世界の友達の騒ぐ光景と全く同じで、昔を思い出させる(昔という程ではないが)。
ウェイトレス仲間達の様子を唖然としながら見ていれば、その内の一人がリーシャに気が付いた。
「あ!リーシャちゃんはどの人がいい?」
とズラリと並べられた‘ルーキー’と話題の海賊達の手配の前に連れて行かれる。
この世界でもう一つ知ったのはルフィ達の他に億越えの海賊がいることだった。
リーシャがただ単に単行本を読んでいなかっただけなのだろうが。
「う〜ん……じゃあこれとこれで」
ルフィとゾロの手配書を手に取った。
「リーシャちゃんその二人が好きなの?」
「うん……まぁ」
というかこの二人しか知らない。
彼女達とそんな感じで話していればコックに呼ばれ仕事を始める。
「これを持って行ってくれ」
「「「「はーい!」」」」
そこでリーシャ達の会話は終了した。
***
それから一週間後の事だった。
「大変大変〜!!」
バタバタと足音を立て走ってくる女子B。
厨房に慌てた様子で入ってきたかと思うと大きな声で説明し出した。
「どうしたの?」
リーシャが尋ねると彼女は目を輝かせて――。
「ト、トラファルガー・ローがそこにいるのぉ!」
「「「えぇ〜!?」」」
女子Bの言葉にリーシャ達は驚きの声を上げた。
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