05
食事が済むと俺達は再び先程の砂浜へ向かう。
リーシャが言うにはこの島は無人島だそうでログにすら反応するかわからないそうだ。
その言葉に俺は少しばかり気持ちが沈んでいくのを感じた。
けれど、すぐにリーシャがこの島へ俺の仲間が来れるようにしてきたと言い、驚きながらもどうしてここまでとも疑問を感じた。
俺の仲間を知っているなら俺達は海賊ということも知っているはずだ。
「なァ」
「はい」
「海賊が怖くないのか?」
「……わかりません」
そう言う彼女にスッと心が形に嵌まるのを感じた。
(こいつは、純粋すぎるんだな……)
だから自分は助かったのだ。
本来、感謝すべき事に俺は危機感を持たせなければと、また違う心の自分が行動をさせた。
「これから海賊も人間も誰も助けるな」
「……?」
やはりリーシャは首を傾げるだけだった。
もう何を言っても意味がわからなく、体験もしたことがない彼女は理解できないだろうと思い俺は再び深いため息をついた。
その頭の片隅に彼女を近くに置くという選択肢があったことは忘れることにするとしよう。
「とりあえず俺がちゃんとここにいるとわかるようにサインしとかねェとな」
最初に目を覚ました場所に着くと俺は適当に木の棒を拾うと砂にガリガリと書き始める。
「こんなもんだな」
「……これは」
「海賊団のシンボルだ」
俺の言葉に関心を示すリーシャに説明すると更にマークを見つめる彼女。
「その服のマークと同じだろ」
「本当ですね」
服を指せばピンとよく見えるように服を伸ばすリーシャに俺はククッと笑みを漏らした。
(この平穏を願う自分がいた)
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