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「起こすか……リーシャ、起きろ」



あまり睡眠を妨げたくなかったが、ここは心を鬼にして彼女の布団を揺さぶる。
数回揺するとリーシャから小さな掠れた鼻声が聞こえた。



「う、うぅ……ペ、ペン、ギン……さん……?」



うっすらと瞼を上げ、まだぼんやりとするのだろうペンギンの輪郭を見るリーシャ。
ペンギンは苦笑しながら事を伝える。



「先に船長達は島に降りた。お前も行きたいか?」


「そうですね……行き、たいですぅ……」



舌っ足らずな口調でペンギンを見るリーシャ。
どうやらまだ眠たいようで、ゴソゴソと布団を身体に被せようとする。
それに、ペンギンはうーん、と唸った。



(昨日はかなり夜更かししたんだな……船長に言っておかないとな)



あの船長の事だ。
きっとリーシャの今の様子を報告すれば、明日からは普通に彼女は朝を迎えられるだろう。
そう考えたペンギンは再び眠ろうと完全に目を閉じたリーシャに声をかけるのだった。








***








「本当にすいませんっ」



昼前の街中を歩くリーシャ。
付き添いと案内役であるペンギンに必死に頭を下げていた。



「いや、別にリーシャのせいじゃない。謝るな」

「でも……」



リーシャが謝っているのは、ペンギンに二、三回も起こしてもらったのにも関わらず全く自分が起きなかったからだ。
恥ずかしくて蒸発してしまいそうだった。
普段はここまで寝入ってしまう事はないのだが、最近ローとの会話が遅くまで続いていたのが原因で起きれなくなってしまったのだ。



(私のばかっ)



ローを責める気は毛頭ない。
何故なら、リーシャが自らローとの会話をしているからで。
時にはお互いの好きな色やら動物など。
様々な話をしているうちに時間が経ち、ついつい夜更かししてしまうのだ。



「明日からはちゃんと起きます……!」



ペンギンに迷惑をかけてしまったことを反省しつつ、リーシャはグッと小さく手を握る。
ペンギン自身そんなリーシャを見てフッと笑ったように見えた。










ペンギンに案内され酒場に着くと、一足先にリーシャとペンギン以外の全員がテーブルに座っていた。


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