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穴があったら埋めたい


「にらめっこするぞ」

「……え?」



私は最初幻聴かと思いトラファルガーさんを見る。



「あ、あの……今なんと……?」

「……にらめっこ、だ」



私が聞き直すとトラファルガーさんは苦虫を潰したような顔をしながら幻聴ではなかった単語を発した。



「……え、えと」



私が戸惑っていると近くにいたペンギンさんが口を開いた。



「そういうことをする企画(番外編)なんだ」

「企画?」



私は意味がわからなくて、ちんぷんかんぷんだ。



「深く突っ込むな」



トラファルガーさんが私の肩に両腕をビシッと置いて、怖いほど真面目な顔で言うものだから、とりあえずこくこく、と黙って頷いておいた。



「にらめっこなんて、船長やったことあるんですか?」

「ない」



ペンギンさんがローさんに尋ねるとしれっ、と否定する。



「……じゃあベポとした方がいいな」

「そうですね」


私は苦笑いする。


「アイアイ、呼んだ?」


早速事情をペンギンさんが伝え納得するベポさん。


「わかった!リーシャとにらめっこすればいいんだよね!」

「じゃあ始めようか」

「え、それ俺の役目じゃね?」

「お前より俺の方が出番が少ないから駄目だ」


さっきからいたのに今初めて登場したシャチさんの言葉を押しのけているのを見ながら気にしていたんだな、と意外な一面を垣間見る。



「さて、始めるぞ」



ペンギンさんの言葉に私とベポさんは向き合う。


(にらめっこなんてやったことないけど……)


とりあえず変な顔を作ろうと準備をする。
そしてペンギンさんが審判を務めると言い言葉を発した。



「あっぷっぷ!」



ペンギンさんが審判というのは間違っていたようだ。
だってこんな真面目な顔をしてあんな台詞を言うなんて……。


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