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悩まずにはいられない


『リーシャ綺麗だよー!』

『船長が白いタキシードなんて……似合わ、いで!』

『海賊と海兵の夫婦なんて前代未聞ですね……おめでとうございます』


昼に行われた結婚式も終わり、俺はクルー達のお祝いの言葉を思い出していた。
前半の人間の失礼な言葉にはキックをくれてやったが。



「俺が結婚なんてな……」



船でやった結婚式の相手はもちろん――。



「ロー、さん……もうそろそろこのドレス脱いでいいですか……?」



一昔前には「トラファルガーさん」と呼ばれていたのに今では名前を呼ぶようになった現在も海兵のリーシャ。
誘拐してきた当時では考えられなかった未来の妻。
恥じらう姿に耐え切れず式の誓いのキスでは深く濃いキスをしてしまった。
その時もやっぱり酸欠で半分倒れかけて俺の胸を叩かれたのを覚えている。



「駄目だ」



俺は緩む口元を隠すことをしないままリーシャをウエディングドレスのまま引き寄せる。



「あっ……!」



そのままドサリとベッドへ沈ませた。
すでに陸へと着いた船にクルーは一人もいない。
なぜなら結婚式をした今日一日を二人だけするという全員の気遣いだ。



「なァリーシャ」

「な、なんですか、ローさん……」



抵抗を見せない彼女に俺は嬉しくなり、少しいじめたくなった。



「結婚した夜は何をするか知ってるよな」

「……っ」



耳元で囁けば意味を理解している彼女の喉が鳴った。
その喉にゆっくりと吸い付けばリーシャの口からは甘い声が聞こえる。



「フフ……ドレスを脱がすのは夫の役目だったな」

「あ……っ」



ジー、とドレスのチャックをゆっくりと下ろしていけば目の前の妻はギュッと目をつむった。
その姿を見ながらドレスを胸まで脱がしてあらわになった双方の膨らみを見る。



「み、見ないで……」

「聞けねェ」



隠そうとする腕をひとまとめにすると俺は下着を取り払いツゥー、と胸の輪郭をなぞった。


「はぅ……くすぐったい、です」

「じきによくなる」



その胸に舌を這わせようと前屈みになる。









「キャプテーン、朝だよー!」



ベポの声にバチ、と目を開く。



「は……?」



俺は周りを見渡し、徐々にすっきりとしてきた現実に冷や汗をかいた。

「キャプテンどうしたの?」

「ベポ……結婚式って見たことあるか?」



まさかまさかとベポに動揺したまま聞けば――。



「ケッコンシキって?キャプテン寝ぼけてるの?」


ニコニコと笑いながら答える白クマにガクリと密かに肩を落しながら「もう行け」と指示を出す。



「変なキャプテン?あ、リーシャはもう起きてるよ!」



先程出てきた名前を出されそうか、と返事をすればベポは「じゃあね?」と首を傾げながら去って行った。





「……夢オチかよ」





現実はそんなに甘くないと改めて思い知らされたローであった。









夢とは願望と妄想の産物である




(あ、トラファルガーさんおはようご……!)

(なァリーシャ)

(なん、ですか、トラファルガーさん……?)

(抱かせろ)

(!!――ペンギンさぁ〜ん!!?)

(船長、また貴方は……)

(うるせェ。お前に何がわかる)

(は?)




Title/空をとぶ5つの方法


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