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二択はきつい


私は思った。


果たしてこのままでいいのだろうか?と――。







***















ハートの海賊団船員シャチ。
趣味は、魚釣りや賭け事、他にも色々とあるが、その中で自分は船内を盛り上げ役目をしていると自負している。
常にポジティブで笑顔を絶やさない俺。
まァ自分を褒めるのはここまでとしておいて今は目の前にある……いる問題について考えたいと思う。



「シャチさん、どう思いますか……?」

「どうって、だなァ……」



相談を持ち掛けてきたのはこの前まで海兵として(現在もだが)働いていた女であるメイス・リーシャ。


歩いていたところに声をかけられ「相談に乗ってほしい」と言われ快く承諾。


(したのはいいけどよ……!)



内容はなんともシンプルかつ難問であったのだ。



『私は海兵なんですからやっぱりこの船から脱走した方がいいのでしょうか?』



と――。



俺は思った。
勘弁してください。



(俺に聞くのかァ!?)



その前にまずハートの船員にそんな相談をすること自体間違っている。
リーシャなのだからもう何も考えないほうが精神的に楽に思えてきた。



「え、えっとだなー……」

「はい!」



やべェよすげェ期待した目で見詰めてくるよ。
このアドバイスを下手に言えば俺は確実に、船長に海に沈められるに違いない。
そうなるとわかれば答えはYesかNOの二択。



「………」



この二択単純なのに、なんかすげェ重い。
例えるなら、いや例えなくても言える。
それは自分の命かリーシャの決断。
なんか大ごとになってきたよ。
とりあえず俺は。



「や、やめといた方がいいと思うぜ……ほら、ベポとか寂しがるし」

「あ、やっぱり……そうですよね……」



よ……良かった、良かったァー!!

俺は内心万歳をし見事説得に成功した。

リーシャが単純でよかったぜ……!。


シャチはその日、自分のみぞ知る栄光を涙ながらに勝ち取ったのだった。


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