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「わぁ〜!……やっぱり甘い香りがしますね!」

「胃がもたれる」


喜ぶ私とは別になんだかげっそりとでも不機嫌そうトラファルガーさんがいた。


しかも今回もやはり手を繋がされた。


恋人繋ぎで。


は、恥ずかしいっ……!


なんて感情が出ていたのかトラファルガーさんは悪戯っぽく笑うと手を繋いでいる私の手を持ち上げちゅ、と口づけた。


「っ……!」

「フフ……」


真っ赤になる私に更なる追い打ちをかけるかのようにトラファルガーさんは手をスルスルと撫で始めたのだ。


「や、やめてくだ……!あっ……」


少しこしょばくてつい声を上げてしまうとピタリとトラファルガーさんの行動が止まり、表情は目を見開いていた。



「あ、あの?」

「今からホテルへ行くか」

「へ?」



いきなり過ぎる発言に目を白黒させていると突然トラファルガーさんの後ろからガツン!と鈍い音がした。



「行くわけないだろ」

「痛てェなペンギン……」


どうやらトラファルガーさんの頭を殴ったようで、頭を摩っている中ペンギンさんが腕を組んでいた。



「あははは……」


苦笑いしかでない。



そんなこんなで私達(船員達もちゃんといる)はトラファルガーさんの指示の元、それぞれの場所に向かうことになった。


こういう時にトラファルガーさんってやっぱり船長だなって感じる。


ボーっとトラファルガーさんの横顔を見ているとふいに目が合い私は慌ててパッと目を逸らす。



「なんだ?惚れたか?」

「ち、違いますっ!」



必死に言えばトラファルガーさんはクツクツと楽しそうに笑った。


























私達は今、デートという名の元に街をぶらりと出歩いている。


もちろんトラファルガーさんが勝手にそう名目をつけただけ。


でも私の心臓は人知れずドキドキと高鳴っていた。


本当はこんな感情は抱いてはいけないのに。


繋がれた指先が熱を持つ。


意識しだせば止まらない動機。


(静まって……!)


だけど私の心臓は言うことを聞かない。


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