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「なんだその甘ったるい名前は」

「俺に言われても困る」


ペンギンに言われそれでも納得いかない、というより不快感が先にくる。


「え?私は凄く好きですよ?『ホイップ島』って名前」

「……お前とならいける気がする」

「い、いけ??」

「船長は黙ってくれ。リーシャ気にするな」


チッ、ペンギンの奴邪魔しやがって。


ローは今だハテナマークを浮かべているリーシャにホイップを掛け合わせてみた。


「………」


いける。


思考が色々と想像力を膨らませる中、ペンギンがリーシャをローから遠ざけるのが見えた。


(思考を読んだな)


ペンギンのくせに目敏い。



だがこれ以上はやめておこう。


例の脳内ゲームの件以来、リーシャがローを見る度半泣きになるからさすがに良心が痛んだ。


時間というものと天然という性格のおかげでリーシャは今ではすっかり忘れてくれた。


もしまた半泣きをされたら立ち直るのは難しい。



あまり攻め過ぎるのも良くないな。


じゃあ引けばいいのか?


いや、リーシャは内気で泣き虫だからローが引けば何も起こらないだろう。


「船長、さっきから口が動いて心の中がダダ漏れですよ」

「……リーシャはどこに行った」

「リーシャなら船長が変態思考を披露する前に自室に戻りました」



危ない所だった。


幸い、聞いていたのはペンギンだけでローは安心した。



「安心?ふざけたことを言わないでください。今後一切リーシャの自室に近付けさせないからな」

「なに!」



ローはペンギンの言葉遣いが変わった事やリーシャの部屋に近づけないことにショックを受けた。



「俺はこの船の船長だぞ」


「じゃあ威厳を保て船長」


「………」


やはりペンギンは強かった。


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