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リーシャの声に皆がごくりと喉を鳴らす。



「生憎その脳内は間違っているぞ」

「!?……ト、トラファルガーさんっ!?」



リーシャの後ろからぬっとこれまた神出鬼没の如く現れたローに船員共々びっくりする。




「せ、船長……!?」

「いつからいたのキャプテン?」



驚いているシャチとは裏腹にのんびりと尋ねるベポ。



「少し前だが?」

「キャプテン凄いね!」

「俺は気づいていた」



ペンギンの最後の言葉にリーシャ達はえ!と声を上げた。



(教えてほしかった……)




そう思っているのはリーシャだけではないだろう。
そんな事を思っているとリーシャの横にローが座る気配がしたので少し横に詰める。



「フフ……なかなか面白そうなゲームしてんじゃねェか」



そう言いながらローはペンを持つとスラスラと何かを書いた。



「特別に俺の脳内を公開してやる」



と紙から手を離した。





「……きゃああああ!!?」



その文字が理解できた途端、リーシャの脳内は逃げるという行動に走らせた。







***








「……逃げることはないだろ」

「当たり前だろ船長、これは逃げるに決まっている」

「やべェよこれは船長」



シャチすら今回は冷や汗をかく。
日々リーシャへのセクハラ紛いな行動と言葉には見て見ぬフリをしてきたがここまできてローの変態が滲み出てきたと感じた。


「だからって……なんで『リーシャをめちゃくちゃにしたい』なんだよ!!」



ペンギンが激怒するのも当たり前だ。
目の前に本人がいるのにそれを見せて危機感を持たないはずはない。



「だから俺の脳内だと言っただろ」

「脳内じゃなくてそれはあんたの欲望だ」



ペンギンが指摘するとローはフッと笑う。




「欲望に忠実の何が悪い?」

「………」

「………」



もう絶句であった。


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