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「取ってやる」
「え」
リーシャの了承を得る前にローは顔を近づけてきてペロリと頬を舐めてきた。
「っ〜!?」
「フフ……」
いきなり過ぎる行動に言葉がでないリーシャを面白そうに見るロー。
(な、舐めたっ!)
まだ舌の感触が残っている頬を抑える。
「み、見ないでくださいっ!」
顔に熱が集まりローから顔を背ける。
「断る。よく見せろ」
「あっ」
顎を掴まれ顔を向かされた瞬間、唇を塞がれた。
「んぅ……」
人生で三度目のキスでも対処できないリーシャはローのなすがまま。
リーシャが抵抗を見せるとその手を壁に縫い付けられて、頭を引こうとしても後ろは壁。
「ふっ……ん」
つまり逃げ道はないということだ。
「リーシャ……」
ローの名前を呼ぶ声にピクリと反応してしまう。
さっきジャムを舐めたからか苺の味が口の中で広がる。
「はぁ……ト、トラファルガーさんっ」
やめて下さいと再び抵抗を見せても再度唇を合わせてくる。
すると今度は力の抜けているリーシャの唇を割ってきたもの。
「ふっ……あ……っ」
咥内を動く感触に早くも腰が震えた。
「っ……!」
ガクリと身体が落ちかけるとローが抱きすくめてきて、さっきより執着に攻めてきた。
「んぅ……!」
今までよりキスの時間が長く生理的な涙が出てきた。
「……んっ」
最後とばかりにちゅ、とリップ音を付けた彼はゆっくりと唇を離す。
「……はっ」
ローの息遣いが聞こえリーシャは目を開ける。
「腰が砕けたな。気持ちよかったか?」
そうクツクツと意地悪な質問をしてくるローにリーシャは顔を赤くするしかなかった。
(三度目のキスは苺味)
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