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「ど、は……人身、売買……?」



海兵は紙をゆっくり確かめるように目を動かすと声を出した。



「……大佐?これは……」



他の海兵もローと海兵の言葉を聞くと輪切りになった大佐に顔を向ける。
今の状況を例えるなら、静寂だ。
そんな中、大佐は青白い顔で声を荒げる。



「そんな紙は知らん!海賊が偽造をしたに決まっているだろ!!」



確かにそういう考えもありえた、だが――。



「しかし……このサインは大佐の筆記の字ですが」




ローの前にいる海兵が信じられないという顔をしながら対処に困っているようだ。



「っ、今は海賊を捕らえる為に集中しろ!」



言い逃れようのない言葉に大佐は命令をする。
しかし、海兵達はお互い顔を見合わせると首を振った。
その空気に大佐は目を見開く。



「シリアスな雰囲気のところなんだがこいつはもらっていくぜ」

「……はい?」



静まり返る中、ローの声が響いた。



「それとこれとは別だ!」



すると先程紙を見せた海兵が切り掛かってきた。
ローはそれを軽く避けると鼻で笑う。



「指揮官もいない海軍に俺は倒せねェよ」



ローがそういうやいなや逆方向に走り出した。



「えぇ〜!?」



またこうなるのか、と半分諦めに終わった私だった。









(これにて一件落着だな)


(私は落着してませんよ……)

(そうだな。よし、脱走したお仕置きで最後を決めるか)

(ペ!ペンギンさぁ〜ん!!)

(船長あんた懲りろ)

(そうだよキャプテン!)


(……つか俺達の出番少なっ)


実はローとリーシャの後ろにずっといたシャチ達だった。


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