×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -
 
02


最近の悩みですか?

そうですね……、言わずもがな、あの人ですね。

理由は色々ですよ?

少女は語る。



***



「ううん……」

最近になって慣れはじめた船の揺れる感覚に体と頭が覚醒し始める。

と、それと息苦しさ。

「ゔーん……、ぐるし……い」

まるで簀巻きだ。

なんというか、身動きがとれない。

――パチ。

目を開く。

「な゙……!」

目の前に彼の顔があった。

「あ、う……っ!」

脳がうまく働かない為、リーシャは言葉がでない。

(どどどどうしてぇ!!)

自分の体と、彼、トラファルガー・ローの体が密着していることに意識してしまい、顔がほてり始める。

すると、動いた拍子にリーシャを抱きしめる腕が更に強くなった。

「はうっ!」

あまりの羞恥心に声が出てしまう。

「トトト、トラファルガー……さんん!!」

ローを起こす為に一生懸命に声を出す。

しかし起きない。

もう一度、声を出そうとした時だった――。

ちゅ。

「へ……」

頬に軽く触れた感触。

唇が、

そう脳が理解した瞬間、リーシャは言葉を失い顔に体中の血液が流れ込んでくるような錯覚を感じた。

耐え切れなくなったリーシャは、思いっ切りローを突き飛ばす。

――ごちん!

――ドタドタ!

ローが頭を床に打ち付ける鈍い音が聞こえるのと同時に、リーシャは部屋の外へと駆け出した。

(だ、大丈夫かな……)

先程ローにされたことを一瞬だけ忘れて、頭をぶつけたであろう彼の心配をする。

だから友人(ラン)やハートの海賊団のクルー達から「お人よし」「天然」などと言われるのだ。

しかし、リーシャは「天然」だからこそ皆が言う意味が理解できなかった。
というより、気づかない。


「ペンギンさ〜んんん!!」






(天然な彼女は草食系女子!)


prev next
[ back ] bkm