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「何かわかったか」

「はい。現状はかなり酷いものでした」

船長に今まで調べたこの町の裏側を報告した。

言ってはなんだが、海軍が海賊をどうこう言える立場ではないと俺は言い切れる。

それほどまでに――。


「この町は数週間前に一人の男がいなくなり、詳細不明の‘神隠し’にあったと処理されました、海軍に」

「……それで?」

船長の顔が微かに反応したのをちらりと横目で見た俺は再び言葉を続ける。

「それから今日まで既に六人が行方不明になり、その全貌は恐らく――」


「――海軍……か……」

「はい」

情報屋から聞き出した真実。なかなか口が堅かったがなんとか色々な手段を使って口を割らせた。


しかし、そのかいもあってか興味深い事件に行き着くこととなった。
海軍が民間人を闇で売っているという事実を。

「リーシャは?」


「海軍の駐屯所にいます」


だが、ここで厄介なのは彼女のいる場所だった。
きっとリーシャは安心してくつろいではいないと思うが、まさか海軍が悪魔の巣窟だと知る由もないだろう。

下手をすればリーシャ自身が売り飛ばされてしまうかもしれない。

「事を急ぐか。ペンギン、お前はクルー達を集めろ」

「了解」

いつものように冷静だが、さすがにリーシャが絡んでいると行動が早い。

ローの指示を実行する為に電伝虫に各船員達のダイヤルを合わせた。



「船長命令だ、全員集合しろ」



どうなるのか楽しみだ。海賊なのだからこういうスパイスも時には必要だ――戦闘という名の。












(さぁ、戦いの始まりだ)


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