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「お前を誘拐したのは、お前が欲しかったからだ。俺は海賊だ。欲しいもんは奪う」



真剣な瞳にリーシャは顔を赤くする。



「だからお前は俺のもんだ。俺の事だけを考えとけ」



いかにも海賊らしい考え方にリーシャは迷った。




(でも、やっぱり……)



自分がローに気に入られる要素なんてこれっぽっちもないのに。



「……しっかり教えねェとな」



まだ戸惑っているリーシャの思考を読み取ったかのようにローは口づけを落としてきた。



「ひゃっ!」



首筋に顔を埋めたロー。
途端にちくりとした痛みが走った。



「な、なんですか今の!」


「フフ……気にするな」

「き、気になり――あっ!」



リーシャの言葉を聞かずローは鎖骨へと己の唇を滑らせる。
リーシャの声に口元が上がるロー。
そのまま首筋から顔にキスを落としていく。



「ま、待ってくだ……」

「無理だ」



この間の出来事と同じ雰囲気にリーシャは自分の予測が当たるのを感じ、慌てて止めようとするが、ローはあっさりと却下した。



「ふ……っ」



ローはリーシャの唇を奪うとこの前のようにゆっくりと何度もリップ音を響かせた。



「ん、はっ……まっ」



息が苦しくなり、くたりと力が抜ける。
その瞬間を狙いローは舌をリーシャの口内へ侵入させてきた。
リーシャは舌を後ろへと動かすが、ローはすかさず舌を絡めてくる。



「んっ……んん!」



ぴちゃぴちゃと鳴る音に恥ずかしさと息苦しさに生理的な涙が出てくる。



「はっ……」



ローもそんなリーシャを見て、更にキスを深める。



(なんか変っ……)



体がぴくりと反応し、頭が真っ白になる。
ローはリーシャの髪に手を差し込み、反応をうかがう。



「はぁっ……もう無理ですっ」



さすがに限界なのかローの胸を叩いてきた。
それに対し、ローはゆっくりと名残惜しげに唇を離す。



「はぁはぁ……」



息ができるようになり、リーシャは息継ぎをする。




「ククッ、キスの最中は鼻で息をするんだ。わかったか?」

「も、しし、しませんっ!わか、りませんっ!」



必死に言うリーシャにローは面白そうに笑った。


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