×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -
 
14


それにしても、とリーシャはローをそっと見る。
普段、パーカーにジーンズという格好なのに、今は胸元は開けていて、妖艶さが満ちている。
帽子も被っていないこともあり、全体的に姿が様になっていて、ローはやはり顔立ちが整っているのだと改めて思わされた。



「ん?」


パチリと目が合ってしまい、リーシャはハッと我に帰る。

「酒もっと飲むか?」

「も、もういいです……!」

慌てて断り、リーシャは見とれていたことを悟られないように笑って取り繕くろう。

(いつのまにか近くなっているし……!)

ローの腕がリーシャの腰に回っており、そのことに気が付かなかったリーシャはその行動に驚かされる。

「あ、あの!少し風に当たってきますね!酔ったみたいですしっ」

「俺も行く」

これ以上密着されると心臓がもたないと感じ、リーシャは慌ててローから離れようとするが、間入れずにローが一緒に、と言い出した。

「え、や、いいです……!大丈夫ですからっ!」

リーシャはそう言うやいなや、ローの言葉を待たずに急いで居間から出ていった。



***



「チッ……」



居間から出ていったリーシャを見ながらローは酒をぐいっと煽る。



「からかうからだ、船長」


「からかってねェ。少し体を寄せただけだ」



付いていきたかったと顔に出して拗ねているローを見ながらペンギンはフッと笑った。



「彼女の顔が赤かった」

「あァ、いいもんを見た」




にやりと笑うローを見たペンギンは首を動かし周りを見る。



(もうすぐ来るな)



何がと思う前に、すでに火蓋は切って落とされていた。









***










ローがリーシャを弱愛しているなど、ハートの海賊団にとっては周知の事実である。
だからローが今、この場所にいる女達に全く興味を持たないのはわかっていた。
わかっているのだが、俺だって楽しみたい!と息を荒くするシャチ。
シャチは自称ムードメーカーと言っているが、毒舌なペンギンにお前はトラブルメーカーだろ、と言われている。
確かによくヘマをするが、ベポやリーシャ程ではないと思う。
ベポにそんなことを言うとへこむだけだが、リーシャに言うと泣きながらすみません、と謝られるだろう。
そんなことになれば、俺は船長に殺されるとシャチは確信している。


prev next
[ back ] bkm