07
私達、只今逃走中です。
「チッ、仕事熱心なものだな」
トラファルガーさんは皮肉げに言う。
あれから、私達は海兵に見つかりトラファルガーさんに横抱きという激しい羞恥心に見舞われていた。
「おい!もしかしてあれは……!」
「新聞に載っていた海兵だ!」
海兵達は私の姿を目にした瞬間、周りが助け出すんだー!と更に騒ぎだした。
「うぜェな……」
私がわたわたしていると少し横から不機嫌な声が聞こえた。
その声に恐る恐る横を向く――。
「う、わ……」
背中にひやりと汗がながれたような感覚がした。
(ま、まさに……)
悪魔だ。
それしか言葉が見つからないと思う程の怖い顔だった。
(こここ怖いよ〜!)
私はついほろりと涙目になる。
そんな私の目を見て何を思ったのかトラファルガーさん。
「どうした?あァ、あいつらが怖いんだな。安心しろ。すぐに終わらせてやる」
なにも安心できないです。
いたってなぜか冷静な頭でトラファルガーさんの言葉に異論を唱える。
「ROOM」
私を横抱きにしたままトラファルガーさんは刀を抜く。
(できれば降ろしてほしい……)
私のそんな願いは彼に届くわけがなく、トラファルガーはスパンスパンと人を切っていく。もちろん能力を使って。
ものの数秒でたくさんいた海兵を片付けたロー。
私は同じ海兵としてとても複雑だった。
でも誰も死んでないことやトラファルガーさんが殺さなかったことに内心ホッとした。
(人を愛する悪魔は無敵)
[ back ] bkm