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七周年ですの


何故?何故何故なぜ?
何故私は変な男の前に居るの?
ペロペロだかペタペタだのという能力者が麦わらの船を襲撃しローやルフィの奮闘を空振りさせマッドサイエンティストな羊を拐った。
原作にない!
なかった!
だというのに、なぜ?
ルフィを困らせるなんてこれは由々しき問題。
処刑に処されることかもしれない。
ルフィは世界の良心。
それ以外、ルフィを悪者としようとする人達が悪い人達。
お前のすることは間違っている。
楯突いて無事に云々という吹き出しを幾度もなく見てきた。
現代の感覚からして、ルフィと敵対していた勢力の問題は近しくも多々ある。
だから、海賊達が人気になる、というループもあるのかもしれない。
漫画の中で苦しんでいる人が居て、その人達の元凶をぶっ飛ばすのはヒーローの漫画にも通ずる。

ーーブルブル

「許さない」

震える拳。
目前ではローとルフィが喧嘩をさせられている。

「ペトペト!どうだ?夫がボロボロになる様は!?」

ビックリマークつけりゃなんでも迫力が出ると思ったら大間違いだ。
睨む真似はせず、相手に向かって述べる。

「ルフィくん、体格差でハンデあるからダメージが多く入るのよ」

ペトペトなんたらに言うと相手はは?と言う感じで怪訝に見てきた。

「てめ」

ーードカ!

外科医がなんか言いかけたけどルフィのパンチをくらい言えなかった。
というかローが負けてくれたら平和的に終わる気がする。
体力的にまだまだ長引きそうだ。



ペトなんたらを倒して無事船へと帰った。
夜がまだ明けないがローに無人の部屋へ歩いていたら引っ張りこまれた。
おい、お前は暴漢かよ。
前も同じような事があったようななかったような。

「あら女の肌に気安く触る変態さんがなんのご用?」

飛ばしてみたら相手は絶句した。

「………お前の夫はおれだ」

え、それが、何?
今更何を言うかと思えば。

「なぜあの時麦わら屋を支持した」

あの時って何だろう。
てか、ほぼ24時間ルフィを指示しているから。
24時間なのでその中でローを指示した覚えはどの日もない。
言った方が良いのだろうか。

「私の心のオアシスルフィさんですもの」

なにを驚いているのか知らぬがルフィが初めから目的だ。
船に乗れたのだから黄色いポーラタング号とかなんとかいう船にはもう乗るつもりはない。
あと、前々から思っていたけどローも知っていて言わないだけだと思っていたのを説明する。

「貴方、ドフラミンゴ氏に喧嘩を売って、未来にはきっと政府は貴方の称号を剥奪するわ。そうしたら、私達の契約結婚、無効になるのですけれど?」

いくら、婚姻届があっても、父の意向で好きに離縁させられるのだ。

「つくづく勘が鋭い女だ」

忌々しいと言わんばかりに指摘部分で不快な顔をされる。
でも、それでもやるのは彼の意思だ。

「だが」

ニヤリと悪い笑みを浮かべられる。

「おれの知るお前の父はお前が純潔をなくしたと知ればお前を捨てるんじゃねェか?」

この、男。
成る程、ローでも父の性悪さは知っていたわけだ。
ふうん、そっちがそう言うのなら喧嘩を買おう。

「別に私は捨てられても困らないわ」

決して虚言でもない言葉を返す。

「むしろ、捨てられるのではなくてスパイとして潜り込めとか言われそうね」

クスッと笑う。
それに対する反応はとっても複雑な顔で、ギ!と睨まれる。

「あまり怖い顔をするとわたくしルフィさんに泣きついちゃいますわ〜」

きゃあ、とソプラノ。

「その減らず口……!」

白々しくお茶目にはしゃいだだけなのに感情的に成りすぎー。
からかい易くて結構です。
内心ニヤニヤする。
眺めているとローがちらりと空間を見て、こちらを見て、ガバッと抱き締めてきた。

「えっ」

突然の行動に目を白黒していると部屋の扉が開かれる。

ーーガチャ

目が合うのは黒い瞳。
なぜ、今?

「あら、お邪魔かしら」

ロビンはそう言って石像と化すリーシャを見てにこ、と笑みを渡す。
お邪魔ってなんのことだと一瞬本気で分からなかった。
あ!まだ抱き締められている。

「ああ、悪いな」

ローはこちらが話す前に顔を胸元へ押し付け口封じしてきた。
こいつ、力つええ!
去っていくロビンに「これは違うんだ」と弁解も出来ない。
足音が遠くなるにつれて腕の拘束力も緩くなり素早く距離を取る。

「よくも!」

あれじゃあ喧嘩中だった夫婦みたいな話の流れになるっつーの!

「なにかおれがお前にしたか」

くつり、と悪どい笑みで疑問を堂々と口にする図太さにくっ、と唸る。
調子こいてやがるぜ。
近くに接近すると彼は下がった。
木の揺れる音でローが端まで下がり切ったのを知る。

「また勘違いさせるぞ」

たのしそーに口角を緩ませる男。
男に迫る女の図に間違っていないのに、勘違いさせそうな態勢を指摘されグ!と体を力ませた。
お前が勝手に下がったんだろうがぁ。

「ふん、もう誰も来ないわよ」

悪態をつく。

「フフ、どうだろうな。次はおれだけにしとけ」

彼は言いたい事を言い終わったからか満足げに部屋を後にした。
リーシャも眠たい目を何回か閉じて椅子に座った。
ロビンに拡散されないように直ぐに走ることになるけれど。



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