特技は高笑い
ムギぃと憤っているとモチャという子供を担いだ集団がトロッコに来て漸く毒ガスだらけの空間を移動出来るようになった。
外へ出るといつの間にかドフラミンゴの部下が来ていて科学者を持って行こうとしたが、ナミ達が活躍して部下を倒せ、ルフィはローの言葉を聞かずに宴を催してしまう。
その時のローを見てケラケラ笑った。
ルフィはローに制御出来ない存在なのだとまだ分からないから、それだけ思えたのなら胸がすく思いだ。
でも、リーシャだって本当はローの言うとおりドフラミンゴが来る前に船へ言ってしまいたかった。
怖いんだもんあのサングラスな人。
狂気を現実にさせたような人格者。
「大丈夫?顔色が悪いけれど」
ロビンが話しかけてくれた。
その笑顔を見るだけで精神的な部分が癒されますよ。
「だ、大丈夫です。はい、きっと」
「何か悩みがあるのかしら」
「私はまだ貴女達と居ても、その、構わないのかと思いまして」
これから更に激化する戦い。
「私は皆様の足元にも及ばないので、死んでしまうのではないかと」
「まだ時間はあるわ」
「いえ、多分、これは勘ですが、あまりないと思うんです」
「悩んでいるのなら、ルフィに聞いてみれば良いわ」
「え?ルフィさんに?」
目をぱちくりさせる。
「彼を見ていたら何でも出来ると、思えてくるわ」
「っ、そうですね、そうでしたね」
今までだって、不可能と言われてきた事を成し遂げてきたのだ。
彼に不可能は存在しないのだ。
「すいません。私なんかの愚痴を聞かせてしまい」
「自己評価が低い事は悪いことではないけれど、ルフィは怒るかもしれないわ?」
「口、閉じておきます」
「ふふ、いつでも相談しに来てね」
ロビンが去っていくのを見届けた。
凄い、沢山話せた。
悲しいのが一割嬉しいのが九割平常心が八割、残りは冷静さがある中での感情だ。
ローが来たら激動に九割転換する。
「ふ、ふふ、やった、やったぞ私は」
自分の中の目標に麦わらの誰でも良いから沢山話すが達成出来て内心躍り狂う。
誰かに見られて気が狂ったとでも勘違いされると後々困るから態度には出さない。
遠目でスモーカーとローが話しているのを見てローがスープの入ったお椀を捨てる。
勿体ないと読者が感じたシーン。
ほんと勿体ない真似するなぁ。
「おい、小娘」
「っ!うやう!?」
渋くて格好良い声に振り返る。
相手も驚いていて目を丸くさせているので、嗚呼、なんか可愛いと欲が出てしまい危ないと心へ仕舞う。
スモーカーだってその層には人気なのだし。
欲目が出て近くで見たいと思うのは仕方ないでしょ。
「トラファルガー・ローの妻であるかはこの際置いとく。お前は俺達と来い」
「でも、それは私の立場が………それに、貴方はその(ドフラミンゴにアレされるしなぁ〜)」
なんていうことは言えない。
この場に居たくないのに。
更に、その時まで命の保証をされるか。
全て万事やり遂げられる可能性は五分五分。
怖くって耐えられない。
ローに怯えているのかと言われてとんでもないと言いそうになるが、ここは良い理由となると思いその路線にする事にした。
最もらしい。
ローに悪いという気持ちは全くなく、息をするように顔を神妙にさせる。
「そうか、だが、今なら乗せられるかもしれん」
「いえ、賭けはまだ出来ません」
スモーカーは思うところがあるのかそれ以上は言ってこず電伝虫の番号を渡してきた。
この人大丈夫?絶対結婚詐欺をされそうでヤバい。
女に騙されたりほだされたりするんじゃなかろうか。
「あり、がとう」
悲痛で悲劇な役をやり通す。
「いつでもかけてこい」
「はい」
アナタの怪我が治る頃にかけるよ。
彼から離れてルフィ達の所へ向かうとローが睨み付けていたので睨み返した。
サンジもスモーカーを睨み付けていたが何も反応はしないでおいた。
ローから納得いかねェみたいな視線もあったが、無視しておく。
ルフィくん達のところへゆっくりと向かい、その間今のうちに色々見ておこうと回りをぐるりと見回しておく。
ここにくる事はもう無いだろうから。
本にもあった場所へ行ったというのは、感慨深い。
いや、本というより正夢を見た場所か。
正夢が当たるだなんて異世界(?)人たる何かの見えざる能力のように感じる。
神秘的に思えた。
ローには自分の本当の事は何も言っていないが、普通ではない女とでも思っているのでそれで良いと思う。
それ以上知ろうとしても意味の分からない単語が沢山あるしエラー的なもので訳がわからなくなると思うのだ。
実際自分が第一の人生を過ごした文明を説明しても理解できるのは機械工学だけだろうし。
麦わら帽子を被る彼の元へ辿り着くと皆海軍船を見ていた。
送り届けてくれるという律儀な海軍達は素行の悪い人達だけれど、根は良い人達だな、と想いに耽った。
今だって子供達を脅したのに涙を流していて、ナミ達が笑みを浮かべている感動的なところ。
リーシャも混ざりたいがドフラミンゴが来ないかとヒヤヒヤしているので味わえない。
「何をそんなに焦る」
話しかけられた知った声に無言をプレゼント。
話す道理はない。
たかが紙の上に成り立つ関係で頭を突っ込んでこないで欲しい。
ふんっ、と鼻息を吐いてルフィ達が乗り込んでいく船へ行くとその渦中で腕を取られる。
「気安く触んないで」
目を細めて心底嫌がってますな声で答えるが、海賊というせいか、離す気はなさげだ。
話すことなどこちらは何もない。
心配しますっていう風に言われるのは、もっと嫌な気分にさせられる。
今までほったらかしにしていた癖に、船員達は温かく迎え入れてくれるんだから、これ以上何かを得ようとするなんて我が儘だし、生意気な男だ。
手を振り払っても力負けしてしまうので、無駄な体力は使わずに、相手へ口攻撃のみを行使する。
「貴方の事は知らないと言っているでしょう。もしこのことを彼らに言えば貴方とて彼らは容赦しないでしょうね」
虎の威を借りる行為であるが、口八丁なので許してくれと皆に心の中で謝っておく。
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